筋肉の障害や筋力低下をきたす难病『先天性ミオパチー(ネマリンミオパチー)』の新たな原因遗伝子を発见
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筋肉の障害や筋力低下をきたす难病『先天性ミオパチー』の新たな原因遗伝子を発见
~『American Journal of Human Genetics』に掲載~
横浜市立大学附属病院 遺伝子診療部 宮武聡子助教、横浜市立大学学術院医学群 遺伝学 松本直通教授らは、先天性ミオパチー*1の一型である、ネマリンミオパチーの新たな疾患責任遺伝子を発見しました。2013年のネマリンミオパチーの新規責任遺伝子KLHL40 の同定に引き続く研究成果で、本疾患の诊断や临床诊疗へのさらなる贡献が期待されます。
この研究は、同大学生化学教室 椎名政昭助教、緒方一博教授、独立行政法人国立精神?神経医療研究センター 神経研究所 三橋里美医師、西川敦子医師、埜中征哉医師、西野一三部長、東京医科大学 林由起子教授、独立行政法人国立病院機構 東埼玉病院 鈴木幹也医長、谷田部可奈医長、田中裕三医師、尾方克久臨床研究部長、川井充院長、独立行政法人国立病院機構 鈴鹿病院 久留聡臨床研究部長、神奈川県立こども医療センター臨床研究所 鶴崎美徳主任研究員、浜松医科大学医化学講座 才津浩智教授、テネシー大学ヘルスサイエンスセンター小児科Enkhsaikhan Purevjav准教授、Jeffrey Towbin教授らと共同で行われました。
研究成果のポイント&苍产蝉辫;
?全エキソーム解析*2で常染色体劣性遗伝性を示す小児期発症、缓徐进行性のネマリンミオパチーの原因遗伝子MYPN を同定した。研究概要
ネマリンミオパチーは先天性ミオパチーの中で频度の高い疾患です。筋肉の収缩に関係する构造タンパク质が壊れるため、全身の筋力低下をきたし、ネマリン小体と呼ばれる凝集体が筋线维内に出现します。心筋にはほとんど障害をきたさないとされています。またネマリンミオパチーの中で、核内棒状封入体をもつサブタイプがありますが、これまではACTA1遗伝子変异を持つ重症例でのみ认められる所见と考えられてきました。
ネマリンミオパチーの原因遗伝子としては、2013年に宫武助教、松本教授らが同定したKLHL40を含めてこれまで10个の遗伝子が特定されてきましたが、本疾患の约25-30%の症例ではその遗伝学的原因は不明とされていました。
本研究で、宫武助教、松本教授らのグループは、血族婚が背景にあって、核内棒状封入体をもつ小児期発症のネマリンミオパチー症例に全エキソーム解析を行い、MYPN遗伝子の劣性変异を见出しました。その后、病理学的にネマリンミオパチーと诊断され、遗伝学的原因が不明な54家系の解析を行い、さらに3家系(5.6%)に本遗伝子の劣性変异がみつかったことから、MYPNがネマリンミオパチーの新规原因遗伝子であることを突き止めました。
今回见つかった合计4家系はいずれも小児期発症で比较的軽症であり、缓徐进行性のミオパチーを呈しており、2家系で心筋障害の合併、2家系の筋病理所见で核内棒状封入物が认められるという特徴がありました。
MYPN遗伝子が作るタンパク质は筋サルコメアを构成するタンパク质の1种で、本遗伝子に変异を持つ患者では、このタンパク质が筋线维内でほとんど消失していました。
本遗伝子のナンセンス変异をホモ接合性にもつマウスモデルを作製すると、その骨格筋では筋サルコメアに微细な构造异常や、ネマリン小体様の凝集物が电子顕微镜下に确认され、ネマリンミオパチーの病态が再现できました。本遗伝子の変异によってヒトで軽症のネマリンミオパチーが起こることを考えると、このマウスの所见はヒトで见られる疾患の重症度と合致していると考えられました。
本研究成果により、ネマリンミオパチーの早期诊断、早期の适切な治疗介入にさらに贡献できる可能性があります。またその病态解明が进めば、ネマリンミオパチーに対する新しい治疗法の开発にも寄与することが期待されます。
注釈
*1 先天性ミオパチー:生まれながらに筋組織の形態に異常があり、生後すぐ、もしくは乳児期~小児期以降に、筋緊張低下や筋力低下などの症状を認める難病で、国内におよそ1,000~3,000名の患者さんがいると推定される。
*2 全エキソーム解析:ゲノムの蛋白質を決める部分(エクソン)のDNA配列を次世代シーケンサーを用いて網羅的に解析する方法。
*3 筋サルコメア:骨格筋の筋線維内には筋原線維と呼ばれる収縮性の構造体が多数並んでいる。筋原線維の最小構成単位がサルコメアで、この中にアクチンとミオシンフィラメントが並行に、一部重なりをもって配置されている。
図1同定された惭驰笔狈遗伝子変异。上段が惭驰笔狈タンパク质の构造を示す。グレーのボックスはコイルドコイルドメイン、黒のボックスは滨驳ドメイン。筋サルコメア构成たんぱく质である颁础搁笔、ネブリン、及びα-アクチニンとの结合领域を有する。下段には同定された惭驰笔狈遗伝子変异を変异タンパク质とともに示す。4家系とも惭驰笔狈たんぱく质が消失する劣性遗伝性変异が见つかった。
図2上段症例1~4の骨格筋ヘマトキシリン(HE)染色像。症例1では、筋線維のサイズに顕著なばらつきがみられ、筋線維が間質結合組織及び脂肪組織(F)に置換されている。症例2~4では、筋線維のサイズの不均一性は軽度~中等度であり、小さく角張った線維が散在している。中段ゴモリトリクローム変法(mGT)染色像。ネマリン小体(矢印)が観察された。核内棒状封入物 (丸で囲んだ部分) が症例1、4で観察された。下段電子顕微鏡像。ネマリン小体(矢印)が症例2、3で確認された。症例4では、核内棒状封入物(症例4挿入図)が観察された。
図3健常コントロールおよび症例2-4の骨格筋の免疫组织化学染色像。健常コントロールの筋线维には緑色に染色される惭驰笔狈タンパク质が存在。症例2-4では惭驰笔狈タンパク质が消失。
図4マウス疾患モデルにおける骨格筋解析。左补,产:惭测辫苍ナンセンス変异をヘテロ接合性に有するモデルマウスの骨格筋电子顕微镜像。筋サルコメア构造は正常。右肠,诲,别,蹿:ホモ接合性マウスでは筋サルコメア构造が乱れ(肠,诲)、ネマリン小体様の凝集物がみられた(别,蹿)。
※本研究成果は、米国の科学雑誌『The American Journal of Human Genetics』に掲載されました。(米国時間12月22日正午付:日本時間12月23日午前2時付発表)
※この研究は、日本医疗研究开発机构(础惭贰顿)难治性疾患実用化研究事业、厚生労働省、文部科学省、科学技术振兴机构、日本学术振兴会の研究补助金、横浜市立大学先端医科学研究センター「研究开発プロジェクト」によって行われました。
※本研究は、横浜市立大学遗伝学?舆水江里子研究员、中岛光子助教、水口刚助教、叁宅纪子准教授の协力を得て行われました。
お问い合わせ先
(本資料の内容に関するお问い合わせ)
横浜市立大学 附属病院 遺伝子診療部助教宮武聡子
横浜市立大学 学術院 医学群 遺伝学教授松本直通
Tel:045-787-2606FAX:045-786-5219
E-mail:miyatake@yokohama-cu.ac.jp (宫武)
naomat@yokohama-cu.ac.jp (松本)
横浜市立大学研究企画?产学连携推進課長渡邊誠
Tel:045-787-2510FAX:045-787-2509
E-mail:sentan@yokohama-cu.ac.jp
(事業に関するお问い合わせ)
日本医疗研究开発机构戦略推进部难病研究课
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