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遗伝性筋疾患の一种「ネマリンミオパチー」の原因となる日本人に频度の高い変异を発见

2018.11.30
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遗伝性筋疾患の一种「ネマリンミオパチー」の原因となる日本人に频度の高い変异を発见

~『Genetics in Medicine』に掲載~

横浜市立大学大学院医学研究科 遺伝学 濱中耕平研究員、松本直通教授らの研究グループは、RNAシーケンシングを用いたメンデル遺伝病の診断法を開発し、ネマリンミオパチーの原因となる変異を発見しました。日本人の178人に1人が持っている頻度の高い変異です。本研究は、横浜市立大学附属病院遺伝子診療科、神奈川県立こども医疗センター臨床研究所、熊本大学大学院生命科学研究部 脳神経内科学分野、国立精神?神経医疗研究センター神経研究所およびメディカル?ゲノムセンター 臨床ゲノム解析部、浜松医科大学医化学講座と共同で行われました。

また、本研究は、国立研究開発法人日本医疗研究開発機構(AMED)難治性疾患実用化研究事業「希少難病の高精度診断と病態解明のためのオミックス拠点の構築」の一環として実施されました。

研究成果のポイント&苍产蝉辫;

〇搁狈础シーケンシングを用いた、メンデル遗伝病の诊断法を开発した。
〇この方法を用いて、従来の方法で変异が同定されなかったネマリンミオパチーの6症例中、4症例で変异を同定した。
〇その内1つの変异は、日本人の178人に1人がもつ频度の高い変异であった。

研究の背景

メンデル遺伝病は、ある1つの遺伝子における変異が原因となって発症する疾患の総称で、100人に1人が発症する頻度の高い疾患です(世界保健機関)。メンデル遺伝病は、これまで診断をつけるために多くの検査を繰り返すことで患者の負担が大きく、医疗費もかさみ、「診断オデッセイ」と呼ばれ、問題となっていました。現在は全エクソーム解析*1で诊断されていますが、全エクソーム解析によっても诊断率は30词35%程度で、依然未解决症例が数多く存在します。

全エクソーム解析はタンパク质をコードするエクソン领域を集中的に解析する技术です。全エクソーム解析による诊断率が低い原因の1つは、异常なスプライシング*2を起こすことで病気を発症するシノニマス変异*3やディープイントロン変异*4を同定することが难しいことです。シノニマス変异は全エクソーム解析で検出できますが、异常なスプライシングを起こすかどうかの解釈が困难です。ディープイントロン変异は、そもそも全エクソーム解析がディープイントロン领域を调べないため、検出が不可能です。これらの変异は、スプライシングを検出する搁狈础シーケンシング*5を使うことで検出出来る可能性があります。

研究の内容

研究には主として症例の罹患筋组织を用いました。最初に、患者において搁狈础シーケンシングにより検出される全てのスプライシングから、変异によって起こる异常なスプライシングを见分けられるか调べました。変异によって起こる异常なスプライシングが以前に同定されている患者と、健常対照とを搁狈础シーケンシングで解析し比较しました。すると、変异によって起こる异常なスプライシングは、健常対照と比べて患者において量が増えており、正常なスプライシングと见分けられることがわかりました(図1)。この方法を利用して、変异によって起こる异常なスプライシングの候补を症例当たり约30か所程度に绞ることが出来るシステムを开発しました。




次に、この方法を用いて、ネマリンミオパチー*6の患者で全エクソーム解析によって诊断がつかなかった6症例の罹患骨格筋を搁狈础シーケンシングで调べました。すると4症例で、検出された异常なスプライシングの候补の中に、ネマリンミオパチーの常染色体劣性遗伝形式の原因遗伝子として知られるNEBのスプライシングが含まれていました。さらに、そのスプライシングの周辺に、1症例でディープイントロン変异(肠.1569+339础&驳迟;骋)が、3症例でシノニマス変异(肠.24684骋&驳迟;颁)が検出されました(図2)。これらの患者は、过去に行われた全エクソーム解析でNEB遗伝子の変异がもう1つ検出されていたため、常染色体劣性*7遗伝形式でNEB遺伝子の両アリル性変異によってネマリンミオパチーを発症していると診断されました。今回検出されたシノニマス変異は、東北大学 東北メディカル?メガバンク機構(ToMMo)が公表しているデータベース、「全ゲノムリファレンスパネル3.5KJPN」によると、日本人の178人に1人が持つ頻度でした。

今后の展开

本研究により、シノニマス変異やディープイントロン変异の中には、頻度が高く多くの疾患の原因となるものが隠れている可能性が示唆されました。本手法を様々なメンデル遺伝病に適用することで、メンデル遺伝病の診断率が向上し、「診断オデッセイ」の解決につながることが期待されます。

用语説明

*1  全エクソーム解析  :  遺伝子上でタンパク質の設計図に当たる部分(エクソン)の配列を次世代シーケンサーで網羅的に調べる方法。
*2  スプライシング  :  遺伝子から転写されたRNA上で、イントロンを取り除きエクソンのみをつなぎ合わせる現象。つなぎ合わされたエクソンを設計図としてタンパク質が作られる。異常なスプライシングによってつなぎ合わされ方が変わるとタンパク質の設計図が変わるため、病気を引き起こす可能性がある。
*3  シノニマス変異  :  エクソン上にある変異で、タンパク質のアミノ酸配列が一見変わらないもの。多くのシノニマス変異は病気を引き起こさないが、中にはスプライシングの異常を引き起こし病気の原因となるものがある。
*4  ディープイントロン変異 : イントロン上にある変異で、エクソンの近傍にないもの。エクソンの近傍にあるイントロン上の変異は、全エクソーム解析で調べることが出来るが、エクソンから離れたところにある変異は調べることが出来ない。
*5   RNAシーケンシング : RNAの配列を次世代シーケンサーで網羅的に調べる方法。RNAの配列から、スプライシングがどのように起こっているかがわかる。 
*6   ネマリンミオパチー : 筋力の低下を主徴とする遺伝性筋疾患の一種。
*7   常染色体劣性 : 両親から1つずつ変異が遺伝し、変異を合わせて2つもつことで疾患が発症する遺伝形式。

※本研究は、『Genetics in Medicine』に掲載されます(11月23日オンライン)。The article was published in “Genetics in Medicine, the peer-reviewed journal of the American College of Medical Genetics and Genomics (ACMG).

掲载论文


Kohei Hamanaka, Satoko Miyatake, Eriko Koshimizu, Yoshinori Tsurusaki, Satomi Mitsuhashi, Kazuhiro Iwama, Ahmed N. Alkanaq, Atsushi Fujita, Eri Imagawa, Yuri Uchiyama, Nozomu Tawara, Yukio Ando, Yohei Misumi, Mariko Okubo, Mitsuko Nakashima, Takeshi Mizuguchi, Atsushi Takata, Noriko Miyake, Hirotomo Saitsu, Aritoshi Iida, Ichizo Nishino, Naomichi Matsumoto
Genetics in Medicine, Published 23 November 2018, https://doi.org/10.1038/s41436-018-0360-6



お问合わせ先

 (資料の内容に関するお问い合わせ)

公立大学法人横浜市立大学大学院医学研究科  遺伝学 
研究員  濵中  耕平   
教授     松本  直通 
TEL : 045-787-2606  FAX : 045-786-5219
E-mail : 
 hamanaka@yokohama-cu.ac.jp  (濱中)
 naomat@yokohama-cu.ac.jp   (松本)

(取材対応窓口、詳細の资料请求など)
公立大学横浜市立大学
研究企画?产学连携推進課
課長  渡邊 誠
TEL : 045-787-2510
E-Mail : kenkyupr@yokohama-cu.ac.jp