女性ホルモンと同じ作用を起こす化学物质とは
ホルモンは体の状态を一定に保つ役割を果たします
- 佐藤 友美(さとう?ともみ)
- 国际総合科学群 内分泌学 教授
- (学部)国際総合科学部 理学系 生命環境コース
- (大学院)生命ナノシステム科学研究科 生命環境システム科学専攻
一般にホルモンと言えば、からだの成长を促す成长ホルモンや、血糖値を下げる作用があるインスリンなどがよく知られています。これらの物质は、新陈代谢を促したり、体の状态を一定に保つなどの大切な役割を果たしています。そうしたホルモンを分泌する内分泌器官や、様々なホルモンの働きなどを研究する分野が、内分泌学です。
これまでホルモンは、1つの器官で作られた后、血液などで运ばれて、离れた场所にある器官で作用するものと定义されていました。近年ではそれらに当てはまらなくても、体内で情报を伝达する物质をホルモンの定义に含めることが多く、100种类以上のホルモンがあるとされています。
私が主要な研究テーマとしているホルモンは、通称「女性ホルモン」と呼ばれるものの1つであるエストロゲン[Keyword 1]です。エストロゲンはコレステロールから合成されるステロイドホルモンの一种で、ステロイド骨格をもちます。
エストロゲンは、动物の生殖活动にはもちろん、性的アイデンティティの形成に重要な役割を担っています。生殖器官だけに受容体があるのではなく、乳房や皮肤など全身で作用するとされており、解明されてない点が多くあります。
- [Keyword 1]エストロゲン
- 卵巣から分泌され、卵胞ホルモンとも呼ばれる。思春期に分泌量が増え始めて第二次性徴を引き起こす。女性の月経周期をつかさどり、妊娠や出产に适した体にする。
环境ホルモンの研究は、これから进めなければなりません

环境中に存在している様々な化学物质には、エストロゲンと同じ作用を起こしたり、他のホルモンの作用を阻害するものが含まれています。それら「内分泌かく乱物质」の通称である「環境ホルモン」[Keyword 2]は、私の恩师である井口泰泉先生(现?冈崎统合バイオサイエンスセンター教授)が、横浜市立大学に在职されていた时に考案した言叶です。
环境ホルモンが注目されるようになった背景には、野生动物の生殖机能に异常が见られる现象が报告され、化学物质との関连性が指摘されたことがあります。ヒトでも同様のことが起これば、子孙を残すのが困难になるという仮説があり、日本でも国や研究机関が调査を行っています。
例えば、ポリカーボネート製のプラスチック製品(食器など)の原材料に用いられるビスフェノール础という化学物质は、高温にすると成分が溶け出して食事を通して人体に入る可能性があることがわかっています。低用量での影响はまだ详しくは明らかになっていませんが、厚生労働省では「摂取をできるだけ减らすことが适当」として、関係业界に自主的な取り组みを呼びかけています。
実际のところ、环境ホルモンの研究はまだそれほど进展しているとは言えません。私たちの身の周りにある化学物质の数は膨大なうえに、胎児や乳幼児の时に摂取した物质が生殖机能にどう影响するかは、何十年も待たないとわからないからです。
- [Keyword 2]環境ホルモン(内分泌かく乱物質)
- 「外因性内分泌かく乱化学物质」とも呼ばれ、环境中に存在する化学物质のうち、动物の体内でホルモンに似た作用を起こす物质。1990年代后半にベストセラーとなった『夺われし未来』で话题となる。欧米などでも実态研究が进められているが、人体への影响の明确な因果関係はわかっていない。












