2008.04.17
- プレスリリース
- 研究
発生成育小児医療学を専門に研究を行っている本学医学研究科 横田教授グループの研究「Efficacy and safety of tocilizumab in patients with systemic-onset juvenile idiopathic arthritis: a randomised, double-blind, placebo-controlled, withdrawal phase III trial(全身型若年性特発性関節炎の治療に対してトシリズマブが有効である)」 が、英国臨床研究雑誌LANCETに掲載されました。
研究概要
発热は、子どもの病気にはしばしばみられる症状のひとつですが、全身型若年性特発性関节炎という病気の発热は、来る日も来る日も発热が続き、やがて手、足、股関节の関节が肿れはじめ、ときに余病が加わり约1割の子どもはそのまま帰らぬ人となる病気です。子どもの病気の中でも、多くはないけれども重篤な病気と言えます。しかし近年の生命科学の発达はなぜ热がでるか、なぜ関节が肿れるかを明らかにしました。それは血中を流れる细胞が<サイトカイン>という蛋白を过剰に作り、それが中枢神経に働いて热がでる、関节に炎症が起こるのです。すなわち関节が肿れてくるのもこの过剰なサイトカインのためだということが判ってきました。そこでサイトカインの一つであるインターロイキン-6の动きを封じることを考え、わが国で开発されたモノクローナル抗体を全身型若年性特発性関节炎の子どもさんに投薬したところ、剧的な効果をえることができました。そこで全国7病院の小児科の先生たちに呼びかけ、治験を行いました。治験とは厳密なルールに沿って、病気の子どもたちに不利益が生じないように配虑しながら、その薬がほんとうに効果のあるものかどうかを科学的に検讨する方法です。5年の歳月を掛け、世界ではじめてこの薬の効果を科学的に示すことができたのです。今后、この重篤な病気と诊断された子どもたちでも、この薬でなんとか病気をしのぐことができるようになったのです。小児科医として、この病気の子どもたちに、希望の光りを示すことができたのは望外の喜びです。