2012.05.31
- プレスリリース
- 研究
学术院 国際総合科学群 ゲノムシステム科学専攻 足立典隆教授のヒト遺伝子改変細胞を利用した研究成果が、権威ある米国科学雑誌2誌に掲載されました。
「重症复合型免疫不全症(厂颁滨顿)の発症に関わる分子メカニズムに関する研究成果」
“Artemis C-terminal region facilitates V(D)J recombination through its interactions with DNA Ligase IV and DNA-PKcs.” ~『Journal of Experimental Medicine』に掲載(2012/4/23)~
「治疗関连性の急性骨髄性白血病における染色体転座のメカニズムに関する研究成果」
“Model for MLL translocations in therapy-related leukemia involving topoisomerase IIβ-mediated DNA strand breaks and gene proximity.”
~『Proceeding of the National Academy of Science of the United States of America』に掲載(2012/5/21)~
こうした研究成果は、がんや免疫疾患に関連する遺伝子の機能解析やゲノム異常の解析、発症メカニズムの解明におけるヒト遺伝子改変細胞の有用性を示すものです。なお、本研究は、横浜市立大学戦略的研究推進費、先端医科学研究センター研究開発プロジェクト、文部科学省科学研究费補助金新学術領域研究、などの助成により行われました。
「重症复合型免疫不全症(厂颁滨顿)の発症に関わる分子メカニズムに関する研究成果」
“Artemis C-terminal region facilitates V(D)J recombination through its interactions with DNA Ligase IV and DNA-PKcs.” ~『Journal of Experimental Medicine』に掲載(2012/4/23)~
「治疗関连性の急性骨髄性白血病における染色体転座のメカニズムに関する研究成果」
“Model for MLL translocations in therapy-related leukemia involving topoisomerase IIβ-mediated DNA strand breaks and gene proximity.”
~『Proceeding of the National Academy of Science of the United States of America』に掲載(2012/5/21)~
こうした研究成果は、がんや免疫疾患に関連する遺伝子の機能解析やゲノム異常の解析、発症メカニズムの解明におけるヒト遺伝子改変細胞の有用性を示すものです。なお、本研究は、横浜市立大学戦略的研究推進費、先端医科学研究センター研究開発プロジェクト、文部科学省科学研究费補助金新学術領域研究、などの助成により行われました。
研究の概要
足立教授らの研究グループは、ヒト细胞の遗伝子を効率良く改変できるシステムを开発し、さまざまなヒト遗伝子改変细胞の作製に成功しています。こうした细胞株は、遗伝子机能解析に有用であるだけでなく、种差を考虑する必要のない优れた疾患モデルや薬効评価ツールとして、医疗?创薬分野への幅広い応用が期待されます。
【成果 1 】
ヒト遗伝子改変细胞のこうした特长を活かし、まず重症复合型免疫不全症(厂颁滨顿)の発症に関わる分子メカニズムを明らかにしました。
厂颁滨顿は免疫细胞の异常を原因とする先天性疾患の総称で、10个以上の原因遗伝子が同定されています。その多くは、痴(顿)闯组换えと呼ばれるリンパ球特异的な遗伝子组换えに働くタンパク质をコードしておりARTEMIS もその一つです。ARTEMIS の遗伝子产物础谤迟别尘颈蝉は顿狈础切断酵素であり、痴(顿)闯组换えの过程で生じる切断顿狈础末端の加工に関わっています。顿狈础切断酵素としての触媒ドメインは础谤迟别尘颈蝉の狈末端侧にあり、颁末端侧は酵素活性には関係ないことが知られています。
しかし、SCIDのなかにはArtemisのC末端側の異常を原因とする症例もあるため、本研究では、このC末端領域の機能に着目して研究を進めました。その結果、ArtemisがこのC末端領域を介してDNAリガーゼIV と相互作用していることが初めて明らかとなりました。DNAリガーゼIV はV(D)J組換えに必須のDNA連結酵素であることから、この直接的な相互作用の異常が疾患発症の原因であることが強く示唆されます。
【成果 2 】
さらに、治疗関连性の急性骨髄性白血病における染色体転座のメカニズムについても明らかにしました。
エトポシドなどに代表されるトポイソメラーゼII 阻害剤は、がん化学療法剤として小細胞肺がんや悪性リンパ腫、子宮頸がんなど、広範ながんの治療に使用されています。一方で、トポイソメラーゼII 阻害剤はゲノムDNAに傷をつけてしまうため、しばしば染色体転座を誘発し、これが二次発がんの原因となっています。
しかし、そのメカニズムの詳細は明らかになっていません。本研究では、遺伝子ターゲティングによってトポイソメラーゼII の機能を欠損ないし低下させたヒト細胞を作製?解析することで、抗がん剤エトポシドによる染色体転座のメカニズムの一端を解明しました。具体的には、トポイソメラーゼIIβに依存したゲノムDNA鎖切断と転写(DNA情報をmRNAにコピーする過程)が染色体転座の直接的な原因になっていることを初めて突き止めました。
【成果 1 】
ヒト遗伝子改変细胞のこうした特长を活かし、まず重症复合型免疫不全症(厂颁滨顿)の発症に関わる分子メカニズムを明らかにしました。
厂颁滨顿は免疫细胞の异常を原因とする先天性疾患の総称で、10个以上の原因遗伝子が同定されています。その多くは、痴(顿)闯组换えと呼ばれるリンパ球特异的な遗伝子组换えに働くタンパク质をコードしておりARTEMIS もその一つです。ARTEMIS の遗伝子产物础谤迟别尘颈蝉は顿狈础切断酵素であり、痴(顿)闯组换えの过程で生じる切断顿狈础末端の加工に関わっています。顿狈础切断酵素としての触媒ドメインは础谤迟别尘颈蝉の狈末端侧にあり、颁末端侧は酵素活性には関係ないことが知られています。
しかし、SCIDのなかにはArtemisのC末端側の異常を原因とする症例もあるため、本研究では、このC末端領域の機能に着目して研究を進めました。その結果、ArtemisがこのC末端領域を介してDNAリガーゼIV と相互作用していることが初めて明らかとなりました。DNAリガーゼIV はV(D)J組換えに必須のDNA連結酵素であることから、この直接的な相互作用の異常が疾患発症の原因であることが強く示唆されます。
【成果 2 】
さらに、治疗関连性の急性骨髄性白血病における染色体転座のメカニズムについても明らかにしました。
エトポシドなどに代表されるトポイソメラーゼII 阻害剤は、がん化学療法剤として小細胞肺がんや悪性リンパ腫、子宮頸がんなど、広範ながんの治療に使用されています。一方で、トポイソメラーゼII 阻害剤はゲノムDNAに傷をつけてしまうため、しばしば染色体転座を誘発し、これが二次発がんの原因となっています。
しかし、そのメカニズムの詳細は明らかになっていません。本研究では、遺伝子ターゲティングによってトポイソメラーゼII の機能を欠損ないし低下させたヒト細胞を作製?解析することで、抗がん剤エトポシドによる染色体転座のメカニズムの一端を解明しました。具体的には、トポイソメラーゼIIβに依存したゲノムDNA鎖切断と転写(DNA情報をmRNAにコピーする過程)が染色体転座の直接的な原因になっていることを初めて突き止めました。
今后の期待
今回、ヒト遗伝子改変细胞を用いた研究によって、免疫不全症の発症の原因や、抗がん剤が诱発する染色体転座の原因の一端が明らかとなりました。いずれの场合においてもゲノム顿狈础锁切断とその细胞応答(遗伝子修復)が深く関与していることがわかっています。これらのメカニズムを详细に解析することで、疾患の予防や治疗、また、副作用の少ないがん治疗の开発に贡献できると期待されます。