2013.01.07
- プレスリリース
- 研究
病态免疫制御内科学教室の石ヶ坪 良明教授(厚生労働省ベーチェット病班 研究代表者)らの研究グループはゲノムワイド関连解析にて厚生労働省の特定疾患であるベーチェット病の新しい疾患感受性遗伝子と発症のメカニズムを発见しました。
本研究成果は米国の科学雑誌『Nature Genetics』(平成25年1月6日オンライン版)に掲載されました。
本研究成果は米国の科学雑誌『Nature Genetics』(平成25年1月6日オンライン版)に掲載されました。
背景
ベーチェット病はぶどう膜炎、皮疹、口腔?陰部潰瘍など全身に発作的な炎症を繰り返す難治性疾患で、厚生労働省の特定疾患に最初に認定され、平成22年3月末時点で、受給者数は17,290人です。患者は日本?トルコなどのシルクロード沿いのアジアに多く、発症には環境因子と遺伝素因の両方が重要と考えられています。最も強い遺伝素因としてヒト白血球抗原(HLA)-B*51(たくさんあるHLA-Class Iの中の一つ)が知られていますが、病気における役割はよくわかっていません。ベーチェット病はときには失明に至り、病態解明が急がれます。
研究内容と成果
石ヶ坪教授、同教室桐野 洋平助教、同大眼科水木 信久教授ら横浜市大グループは、米国国立卫生研究所、トルコイスタンブール大学と国际共同研究を行い、桐野助教を中心として、日本人?トルコ人计约5000例の患者?健常人の検体を解析しました。トルコ人ゲノムワイド関连解析の情报を、「インピュテーション法(*1)」を用いて统计学的に増幅して再解析したところ、新规の疾患感受性遗伝子颁颁搁1(ケモカイン受容体)、厂罢础罢4(転写因子)、碍尝搁颁4(ナチュラルキラー细胞受容体)、贰搁础笔1(小胞体アミノペプチダーゼ)を同定しました。
通常異なる染色体上に存在する遺伝子間には相関は認めませんが、ERAP1とHLA-B*51両者の素因を持つとリスクの相乗効果を認めました(エピスタシス)。ERAP1とHLA-Class Iとのエピスタシスは強直性脊椎炎と乾癬でも報告されています。ERAP1は小胞体に存在し、HLA-Class Iに乗せるためにペプチドを短くする働きがあることから、ペプチドのヒト白血球抗原への提示過程がこれらの疾患で極めて重要であることを示しています(図)。CCR1とSTAT4 近傍のSNP(*2)はこれらの遺伝子のmRNA発現量と関連していることを明らかにしました。
通常異なる染色体上に存在する遺伝子間には相関は認めませんが、ERAP1とHLA-B*51両者の素因を持つとリスクの相乗効果を認めました(エピスタシス)。ERAP1とHLA-Class Iとのエピスタシスは強直性脊椎炎と乾癬でも報告されています。ERAP1は小胞体に存在し、HLA-Class Iに乗せるためにペプチドを短くする働きがあることから、ペプチドのヒト白血球抗原への提示過程がこれらの疾患で極めて重要であることを示しています(図)。CCR1とSTAT4 近傍のSNP(*2)はこれらの遺伝子のmRNA発現量と関連していることを明らかにしました。
(図)
今后の展开
今回见つかった遗伝子や、贰搁础笔1を介したヒト白血球抗原への提示プロセスを标的とした、より副作用の少ない疾患特异的治疗薬の开発につながると期待されます。
また、平成24年7月13-15日に日本では31年ぶりとなる国际ベーチェット病会议(会长 石ヶ坪 良明)を横浜で开催し、大盛况のうちに终了しました。今后も日本におけるベーチェット病への関心と研究?诊疗の更なるレベルアップを目指していきます。
また、平成24年7月13-15日に日本では31年ぶりとなる国际ベーチェット病会议(会长 石ヶ坪 良明)を横浜で开催し、大盛况のうちに终了しました。今后も日本におけるベーチェット病への関心と研究?诊疗の更なるレベルアップを目指していきます。
<用语解説>
(*1) インピュテーション法
公开された高密度な遗伝子型情报などを参照し、统计学的に遗伝子型を推测して、手元にある厂狈笔情报の密度を増幅させる手法。
(*2) 厂狈笔
Single nucleotide polymorphism(一塩基多型)の略。ヒトのゲノムに数百個に一個程度の割合で存在し、人口の1%以上認められるものをいう。ヒトの遺伝子型を予測することができるSNPが知られており、DNAチップを用いて数十万~数百万個ゲノタイプすることができる。SNPと疾患との相関をゲノム全体で調べることで、疾患に関係する遺伝子型をバイアスがなく見つけることができる。SNPの中で遺伝子発現量などの機能を持つものも存在する。
公开された高密度な遗伝子型情报などを参照し、统计学的に遗伝子型を推测して、手元にある厂狈笔情报の密度を増幅させる手法。
(*2) 厂狈笔
Single nucleotide polymorphism(一塩基多型)の略。ヒトのゲノムに数百個に一個程度の割合で存在し、人口の1%以上認められるものをいう。ヒトの遺伝子型を予測することができるSNPが知られており、DNAチップを用いて数十万~数百万個ゲノタイプすることができる。SNPと疾患との相関をゲノム全体で調べることで、疾患に関係する遺伝子型をバイアスがなく見つけることができる。SNPの中で遺伝子発現量などの機能を持つものも存在する。