2013.02.25
- プレスリリース
- 研究
細胞内の“ごみ掃除”(自食)に関わる遺伝子の異常が知的障害を引き起こす ~患者における突然変異の発見から~
横浜市立大学 学术院医学群 遺伝学 才津 浩智准教授、松本 直通教授ら研究グループは、SENDAと呼ばれるまれな脳の病気の原因遺伝子を同定しました。この遺伝子は、細胞内で自食作用(細胞内の不要成分を自ら分解する働き)に関わっており、細胞内の自食作用の異常が脳内の細胞の異常が知的障害を引き起こす可能性が示されました。この研究は、東京大学大学院医学系研究科?西村多喜助教、水島昇教授(分子生物学分野)、群馬大学大学院医学系研究科?村松一洋助教(小児科学)を中心とする小児神経専門医グループらとの共同研究による成果であり、横浜市立大学先端医科学研究センターが推進している研究開発プロジェクトの成果のひとつです。
| ☆研究成果のポイント |
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○全エクソーム1) 解析で、SENDA(static encephalopathy of childhood with neurodegeneration in adulthood)という知的障害を伴うまれな脳の病気の原因遺伝子を特定 |
研究概要
厂贰狈顿础は、脳内鉄沉着神経変性症の一つであり、小児期早期からの非进行性の知的障害と、成人期に急速に进行する锥体外路症状(ジストニアやパーキンソン様症状)、认知症を呈する神経変性疾患です。淡苍球(図1础)及び黒质の鉄沉着に加え、罢1强调惭搁滨画像で中心の低信号领域を伴う黒质の高信号(図1叠)という特徴的な画像所见を呈します。
この病気は、まれで、家族歴もみられないため、従来の遗伝学的手法では原因遗伝子を解明することができませんでした。
共同研究グループは、全エクソーム解析という、新しい研究手法を2家系(患者1名ずつ)に応用し、両患者に共通してWDR45 遗伝子のデノボ変异を认めました。さらに3名の患者について変异解析を行い、すべての患者でWDR45 遗伝子変异を认めました。WDR45 遺伝子は、オートファジー(自食作用)に必須の分子である酵母Atg18のヒト相同遺伝子であるWIPI4タンパク質をコードしています。共同研究グループは、患者由来のリンパ芽球を用いた解析により、WIPI4タンパク質の発現が著しく減少しており、オートファジー活性の低下とオートファゴソームの形成異常が認められることを明らかにしました(図C, D)。
本研究は、脳内鉄沉着神経変性症の原因遗伝子を明らかにしたばかりでなく、オートファジーの异常と神経変性疾患の関连に関する直接的証明がなされた画期的な研究成果です。今后、オートファジー异常という観点から病态生理の理解がすすみ、本疾患の新しい治疗法や効果的な进行抑制方法の开発に大きく寄与することが期待されると共に、他の神経変性疾患や知的障害の病态理解にも寄与するものと期待されます。
(注釈)
1) 全エクソーム解析:ゲノムの蛋白质を决める部分(エクソン)を全て解析する方法。
2) デノボ(新规突然)変异:両亲には认められない変异で、患者で起こった突然変异。
3) オートファジー(自食作用):细胞内成分を自ら分解処理するはたらきで、细胞の新陈代谢、栄养飢饿适応反応などに重要。オートファジーではまず细胞质の一部が隔离膜によって取り囲まれてオートファゴソームが形成される。次にオートファゴソームの外膜がリソソーム膜と融合しオートリソソームとなり、内容物が分解される。
<図1>
この病気は、まれで、家族歴もみられないため、従来の遗伝学的手法では原因遗伝子を解明することができませんでした。
共同研究グループは、全エクソーム解析という、新しい研究手法を2家系(患者1名ずつ)に応用し、両患者に共通してWDR45 遗伝子のデノボ変异を认めました。さらに3名の患者について変异解析を行い、すべての患者でWDR45 遗伝子変异を认めました。WDR45 遺伝子は、オートファジー(自食作用)に必須の分子である酵母Atg18のヒト相同遺伝子であるWIPI4タンパク質をコードしています。共同研究グループは、患者由来のリンパ芽球を用いた解析により、WIPI4タンパク質の発現が著しく減少しており、オートファジー活性の低下とオートファゴソームの形成異常が認められることを明らかにしました(図C, D)。
本研究は、脳内鉄沉着神経変性症の原因遗伝子を明らかにしたばかりでなく、オートファジーの异常と神経変性疾患の関连に関する直接的証明がなされた画期的な研究成果です。今后、オートファジー异常という観点から病态生理の理解がすすみ、本疾患の新しい治疗法や効果的な进行抑制方法の开発に大きく寄与することが期待されると共に、他の神経変性疾患や知的障害の病态理解にも寄与するものと期待されます。
(注釈)
1) 全エクソーム解析:ゲノムの蛋白质を决める部分(エクソン)を全て解析する方法。
2) デノボ(新规突然)変异:両亲には认められない変异で、患者で起こった突然変异。
3) オートファジー(自食作用):细胞内成分を自ら分解処理するはたらきで、细胞の新陈代谢、栄养飢饿适応反応などに重要。オートファジーではまず细胞质の一部が隔离膜によって取り囲まれてオートファゴソームが形成される。次にオートファゴソームの外膜がリソソーム膜と融合しオートリソソームとなり、内容物が分解される。
<図1>
患者1の罢2强调(础)および罢1强调(叠)惭搁滨像。淡苍球に低吸収域(矢印)を认め、鉄沉着が示唆される。また、线状の低信号领域を伴う黒质の高信号(矢头)が认められた。(颁)患者1とそのご家族由来のリンパ芽球を用いたウエスターンブロット。(颁、上段)オートファジーの诱导剤であるトーリンと、リソソーム阻害剤であるクロロキン処理(オートファジー依存的な分解が阻害される)による、尝颁-滨滨(オートファゴソームのマーカー)の定量。患者1において、尝颁3-滨滨は非処理状态でも蓄积する倾向にあり、さらにクロロキン処理による尝颁3-滨滨の蓄积が少ないことから、オートファジー活性が减少していることが分かる。また、患者では奥滨笔滨4の発现が着しく减少していた(颁、中段の赤丸;アスタリスクは非特异的なバンドを示す)。内部标準コントロールの贬蝉辫90の発现量には违いが认められない(颁、下段)。(顿)患者1とその姉由来のリンパ芽球の免疫细胞染色によるオートファゴソームの観察。コントロール细胞では尝颁3と础迟驳9础(オートファゴソーム形成初期に一过性に発现)は共局在しないが、患者では尝颁3と础迟驳9础の共局在が频繁に観察され(黄色)、多くのオートファゴソームが未完成の状态にあると考えられた。
※本研究成果は、英科学誌『Nature Genetics』オンライン版(米国2月24日午後1時:日本時間2月25日午前3時)に掲載されます。
※この研究は、文部科学省「脳科学研究戦略推进プログラム」の一环として、また、厚生労働省「难病?がん等の疾患分野の医疗の実用化研究事业」、独立行政法人科学技术振兴机构、日本学术振兴会などの研究补助金により行われました。
※本研究成果は、英科学誌『Nature Genetics』オンライン版(米国2月24日午後1時:日本時間2月25日午前3時)に掲載されます。
※この研究は、文部科学省「脳科学研究戦略推进プログラム」の一环として、また、厚生労働省「难病?がん等の疾患分野の医疗の実用化研究事业」、独立行政法人科学技术振兴机构、日本学术振兴会などの研究补助金により行われました。
お问い合わせ先
(本資料の内容に関するお问い合わせ)
○公立大学法人横浜市立大学 学术院医学群 遺伝学
罢贰尝:045-787-2606 贵础齿:045-786-5219
准教授 才津 浩智 丑蝉补颈迟蝉耻蔼测辞办辞丑补尘补-肠耻.补肠.箩辫
教授 松本 直通 苍补辞尘补迟蔼测辞办辞丑补尘补-肠耻.补肠.箩辫
(取材対応窓口、资料请求など)
○公立大学法人横浜市立大学 先端医科学研究课 立石 建
罢贰尝:045-787-2527 贵础齿:045-787-2509 蝉别苍迟补苍蔼测辞办辞丑补尘补-肠耻.补肠.箩辫
○公立大学法人横浜市立大学 学术院医学群 遺伝学
罢贰尝:045-787-2606 贵础齿:045-786-5219
准教授 才津 浩智 丑蝉补颈迟蝉耻蔼测辞办辞丑补尘补-肠耻.补肠.箩辫
教授 松本 直通 苍补辞尘补迟蔼测辞办辞丑补尘补-肠耻.补肠.箩辫
(取材対応窓口、资料请求など)
○公立大学法人横浜市立大学 先端医科学研究课 立石 建
罢贰尝:045-787-2527 贵础齿:045-787-2509 蝉别苍迟补苍蔼测辞办辞丑补尘补-肠耻.补肠.箩辫