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横浜市立大学 YOKOHAMA CITY UNIVERSITY

免疫学 田村智彦教授らの研究グループが慢性骨髄性白血病に関わる分子の働きを解明! —新規治療法の開発につながる可能性を示唆-

2013.11.15
  • プレスリリース
  • 研究

免疫学 田村智彦教授らの研究グループが慢性骨髄性白血病に関わる分子の働きを解明! —新規治療法の開発につながる可能性を示唆-

横浜市立大学 大学院医学研究科 免疫学 田村 智彦教授、環境免疫病態皮膚科学 渡邊 友也医師(大学院生)?相原 道子 教授、病態免疫制御内科学 石ヶ坪 良明教授らの研究グループは、慢性骨髄性白血病と転写因子*1 IRF8との関連性を、免疫の司令塔といわれる樹状細胞*2の産生や機能の観点で解明しました。これにより、現行治療薬の問題点を克服できる新規治療法の開発が期待できます。
本研究成果は米国の科学雑誌『Cancer Research』(平成25年11月15日発行)に掲載されます。

研究の背景

慢性骨髄性白血病は、造血幹細胞での染色体の転座*3 によって生じるBCR-ABL融合遺伝子を病因とする難治性疾患です。BCR-ABL阻害剤の開発により慢性骨髄性白血病患者の予後は劇的に改善しましたが、薬剤に対する耐性をもつ変異体の出現や内服中止による再発などの問題があり、次世代の治療法開発が望まれています。
転写因子滨搁贵8は树状细胞をはじめとした免疫细胞の产生に重要な役割があることが分かっています。滨搁贵8を欠损したマウスでは慢性骨髄性白血病様の病态を呈し、実际に慢性骨髄性白血病の患者において滨搁贵8の発现量が低下していることから、重要ながん制御因子である事が示唆されています。しかし、慢性骨髄性白血病の病态において滨搁贵8が树状细胞の产生に実际どのように関与しているかは不明でした。

(注釈)
*1 転写因子: 遺伝子の発現を制御するDNA結合タンパク質。

*2 樹状細胞: 白血球の一種であり、樹状の突起を持つ形態から名づけられた免疫細胞。強い抗原提示能(免疫反応を起こさせたい物質の印をリンパ節のT細胞に教える力)をもち、がんに対する免疫を含む免疫応答に重要な役割を果たしています。

*3 転座: 染色体の一部が切断され、同じ染色体の他の部分または他の染色体に付着?融合すること

研究の内容と成果

本研究グループは、慢性骨髄性白血病とIRF8の関連を調べるために、慢性骨髄性白血病を発症するモデルマウスと試験管内マウス樹状細胞産生(分化)系を用いて解析を行いました。その結果、BCR-ABLによってIRF8の発現量が低下し、樹状細胞の産生が著しく阻害されていることがわかりました(図1)。このことは慢性骨髄性白血病における免疫能力の低下の可能性を示します。しかしながら、BCR-ABLによって抑制されたIRF8の発現を遺伝子導入法で元に戻すと、樹状細胞に関連した遺伝子群の発現が回復し、樹状細胞の産生を救済できることを見出しました(図2)。すなわち、BCR-ABLによるIRF8の発現抑制が樹状細胞産生不全の原因であることを明らかにしました。このIRF8の効果は、現在保険適応のある全てのBCR-ABL阻害剤に対して耐性をもつT315I変異体*4 に対しても同じであることがわかりました。さらに、IRF8発現回復によって産生が救済された樹状細胞では、その機能性(サイトカイン産生能や細胞障害性T細胞の誘導能)がBCR-ABLの働きによって意外にもむしろ高まっていることがわかりました。

*4 T315I変異: BCR-ABLのABL領域において315 番目のアミノ酸スレオニンがイソロイシンに変化したもの。

(図1)
慢性骨髄性白血病モデルマウスにおける树状细胞产生不全
(American Association for Cancer Researchから許可の上転載)
叠颁搁-础叠尝遗伝子导入造血前駆细胞の移植によって作成した慢性骨髄性白血病モデルマウスにおける脾肿(左)と脾臓细胞のフローサイトメトリー解析が示す树状细胞の产生不全(右)
(図2)
試験管内分化系におけるBCR-ABLによる樹状細胞産生の阻害とIRF8遺伝子導入による回復(American Association for Cancer Researchから許可の上転載)
树状细胞をマウス造血前駆细胞から试験管内で产生する実験系において叠颁搁-础叠尝を遗伝子导入すると、树状细胞(古典的树状细胞と形质细胞様树状细胞の両方)の产生が阻害された。しかし叠颁搁-础叠尝とともに滨搁贵8も遗伝子导入すると、树状细胞の产生が回復した。

研究成果のポイント

• 慢性骨髄性白血病の原因融合遺伝子産物BCR-ABLが、免疫の司令塔ともいわれる樹状細胞の産生(分化)を著明に阻害することを、モデルマウスを用いて見出した。
• 樹状細胞の産生阻害の原因が、BCR-ABLによる転写因子IRF8の発現抑制であることを発見。
• IRF8の発現量を元に戻すことで分化が救済された樹状細胞は、その機能性がBCR-ABLの働きによって通常の樹状細胞よりもむしろ高まっていることを示した。
• 樹状細胞はがんに対する免疫において極めて重要な働きを担っていることから、IRF8発現の回復が慢性骨髄性白血病の新たな治療戦略の鍵であると考えられる。

今后の展开

叠颁搁-础叠尝による滨搁贵8の発现抑制のメカニズムを详しく调べることで、滨搁贵8の発现を选択的に回復させることが可能な新规薬剤の开発へ繋がると考えられます。その结果、慢性骨髄性白血病患者の树状细胞の分化と机能が回復?増强し、がん免疫を诱导することにより、现在の治疗の问题点を克服できる画期的な次世代治疗法の确立が期待されます。

※本研究は、文部科学省科学研究费や横浜総合医学振興財団などの助成を受け、また文部科学省「イノベーションシステム整備事業 先端融合領域イノベーション創出拠点形成プログラム」の一環として行なわれました。
なお、本学においては「学长裁量事业(戦略的研究推进费)」のひとつに位置付けられており、先端医科学研究センターの研究开発プロジェクトユニットが推进しています。

※论文着者ならびにタイトルなど
Tomoya Watanabe, Chie Hotta, Shin-ichi Koizumi, Kazuho Miyashita, Jun Nakabayashi, Daisuke Kurotaki, Go R. Sato, Michio Yamamoto, Masatoshi Nakazawa, Hiroyuki Fujita, Rika Sakai, Shin Fujisawa, Akira Nishiyama, Zenro Ikezawa, Michiko Aihara, Yoshiaki Ishigatsubo, and Tomohiko Tamura
“The transcription factor IRF8 counteracts BCR-ABL to rescue dendritic cell development in chronic myeloid leukemia.”

お问い合わせ先

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 ○公立大学法人横浜市立大学 大学院医学研究科 免疫学
  田村 智彦
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(取材対応窓口、资料请求など)
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