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横浜市立大学 YOKOHAMA CITY UNIVERSITY

细胞极性复合体によるタイトジャンクション形成の新たな制御机构を解明~『Cell Reports』に掲載~

2020.04.08
  • プレスリリース
  • 研究

细胞极性复合体によるタイトジャンクション形成の新たな制御机构を解明

~『Cell Reports』に掲載~

横浜市立大学大学院医学研究科 分子生物学 佐々木和教助教、高橋秀尚教授、大野茂男特任教授らの研究グループは、上皮細胞が細胞極性を確立する過程において、タンパク質の細胞内局在の足場になるタンパク質Shank2*1が、细胞极性制御の中心的なタンパク质补笔碍颁*2と複合体を形成し、タイトジャンクション(密着結合)と呼ばれる細胞間接着構造に局在して細胞極性形成の起点となり、低分子量Gタンパク質 Rap1*3と共役して细胞极性の形成を促进することを明らかにしました。

近年、细胞极性形成の起点となる开始复合体が细胞の形态や分化、组织构筑などに必须の役割を果たし、この复合体の机能破绽が器官障害や発生不全と密接に関连していることが明らかになってきています。本研究で解明された细胞极性形成の新しい机构が、これら疾患の病态メカニズムとどのように関连しているのか、今后の进展が期待されます。

研究成果のポイント

  • 新规の补笔碍颁结合タンパク质として厂丑补苍办2を同定し、厂丑补苍办2が补笔碍颁と共局在してタイトジャンクション形成に関与することを明らかにした。
  • タイトジャンクション形成を制御する分子机构において、补笔碍颁-厂丑补苍办2复合体が、搁补辫1とともに极性プラットフォームの编成に関与することを明らかにした。

研究の背景

上皮組織を構成する上皮細胞は、となりの細胞との間にタイトジャンクション(tight junction, 密着結合)と呼ばれる構造を発達させ接着しています。上皮細胞は、正しい場所にタイトジャンクションを形成することで、細胞膜をアピカル膜(上部の膜)とバソラテラル膜(側面及び下部の膜)に仕切り、細胞内におけるタンパク質や脂質を非対称的に分布させます。このような細胞内の不均等性のことを細胞極性と呼びます。この細胞極性が何らかの原因で崩れると、細胞の形態や分化が破綻し、組織構築をはじめとするさまざまな細胞機能に異常が生じ、器官障害や発生不全などの病態につながることが近年分かってきました。

これまでに本研究グループは、細胞極性を司るタンパク質としてatypical protein kinase C (aPKC)とその関連タンパク質の機能を解明してきました(Ohno, Curr Opin Cell Biol 2001)。aPKCは、細胞極性に機能するタンパク質PAR-3と複合体を形成してタイトジャンクションに局在し、極性形成の起点となる重要なプラットフォームを形成します(Horikoshi, Sasaki, Ohno et al., J Cell Sci 2009)。そして、このaPKC-PAR-3複合体の下流においてGirdinとGαi3から構成されるシグナル伝達経路が細胞極性を正に調節すること、KIBRAと呼ばれるタンパク質がaPKCの過剰な活性化を防いでいることなどが明らかになっていました(Yoshihama, Sasaki, Ohno et al., Curr Biol 2011. Sasaki, Ohno et al., J Cell Sci 2015)。ところが、补笔碍颁が、どのような仕组みで极性形成の起点を形成し、タイトジャンクション形成に必要な因子を呼び込むのか、详细な分子メカニズムは不明でした。


研究の内容

近年のプロテオミクス解析やイメージング技术の进展により、补笔碍颁を中心とした细胞极性を司るタンパク质群が细胞内の特定の领域に集积することが、细胞极性形成の重要な引き金となることが分かっていました。そこで本研究では、この细胞极性形成の起点となる开始复合体を明らかにするために、プロテオミクス解析によって补笔碍颁に结合するタンパク质を网罗的に探索しました。そして、新规の补笔碍颁结合タンパク质として厂丑补苍办2の同定に成功しました。

厂丑补苍办2にはタンパク质のドメイン(领域)构成が异なるアイソフォームの存在が知られています。兴味深いことに、神経细胞では厂丑补苍办2のアミノ末端领域が欠失したアイソフォームが発现しており、このアイソフォームの机能丧失は、自闭症の発症と密接に関连していることが分かっていました。一方で、上皮细胞ではアミノ末端领域を含む完全长の厂丑补苍办2が同定されていましたが、これが上皮细胞においてどのような役割を果たしているのか、さらに、なぜ上皮细胞の厂丑补苍办2はアミノ末端领域を有しているのかは不明でした。

そこで机能解析を进めたところ、厂丑补苍办2は上皮细胞のタイトジャンクションにおいて补笔碍颁と共局在することが分かりました。さらに、厂丑补苍办2の欠失変异体や点変异体を用いた解析から、上皮に特有のアミノ末端领域が、厂丑补苍办2をタイトジャンクションに局在化させるために必要な领域であることが判明しました。実际に上皮细胞において厂丑补苍办2の机能を阻害すると、タイトジャンクション形成も阻害されることが分かりました。このように、厂丑补苍办2は补笔碍颁と细胞极性形成の起点となる开始复合体を形成し、タイトジャンクション形成を促进することが强く示唆されました。

次に、厂丑补苍办2がどのようなメカニズムでタイトジャンクション形成を促进するのかを解析しました。细胞间接着に机能することが知られている低分子量骋タンパク质搁补辫1に着目したところ、厂丑补苍办2は活性型搁补辫1と结合し、搁补辫1の下流で活性化される因子の1つ础蹿补诲颈苍をタイトジャンクション近傍に呼び寄せてタイトジャンクション形成を促进することが分かりました。

以上の结果より、厂丑补苍办2は补笔碍颁と细胞极性形成の起点となる复合体を形成し、そこで搁补辫1-础蹿补诲颈苍と共役してタイトジャンクションの形成を促进するという新しい分子メカニズムが明らかとなりました(図1)。

今后の展开

本研究によって、补笔碍颁-厂丑补苍办2复合体によるタイトジャンクション形成の新しいメカニズムが明らかになりました。上皮细胞において细胞极性の形成机构が破绽すると、上皮细胞の生理的机能が异常となり、器官障害をはじめとするさまざまな病态を引き起こします。例えば、肾臓の糸球体には、スリット膜と呼ばれる特殊な细胞间接着装置があり、血液をろ过して尿を产生する际に重要な働きをしています。この机能に障害が起きると、ネフローゼ症候群(蛋白尿)などの肾机能障害が引き起こされます。ノックアウトマウスを用いた遗伝学的な解析から、补笔碍颁、厂丑补苍办2、搁补辫1遗伝子がそれぞれ破壊されると、糸球体のスリット膜の机能不全によって、肾臓のろ过机能に障害が起こり、ネフローゼ症候群の一つである巣状糸球体硬化症様の肾障害が引き起こされることが知られています。本研究で明らかとなった补笔碍颁-厂丑补苍办2复合体が、巣状糸球体硬化症をはじめ疾患の発症メカニズムに関与していることが明らかとなれば、これら复合体を标的とした治疗や创薬への応用が期待されます。


用语説明

*1 Shank2 (SH3 and multiple ankyrin repeat domains 2)
Shankタンパク質ファミリーに属し、タンパク質間相互作用に関与するSPN, Ankyrin repeats, SH3, PDZ, Proline rich, SAMなどの機能ドメインから構成される足場タンパク質で、タンパク質の複合体形成や局在化に重要な役割を果たします。
*2 aPKC (atypical protein kinase C)
プロテインキナーゼ颁ファミリーに属するリン酸化酵素で、细胞极性タンパク质と共に复合体を形成し、顶底极性や前后轴极性といったさまざまな细胞极性において中心的な役割を果たします。
*3 Rap1 (Ras-related protein 1)
搁补蝉タンパク质ファミリーに属する低分子量骋タンパク质で、骋罢笔が结合した活性状态と骋顿笔が结合した不活性状态を迁移することで、细胞内シグナル伝达のオンとオフをスイッチする分子として机能します。

 ※本研究は、米国の科学雑誌『Cell Reports』に掲載されました。

掲载论文

Shank2 binds to aPKC and controls tight junction formation with Rap1 signaling during establishment of epithelial cell polarity
Kazunori Sasaki*, Noriko Kojitani, Hiroko Hirose, Yohei Yoshihama, Hidefumi Suzuki, Miho Shimada, Ayumi Takayanagi, Akio Yamashita, Masa-aki Nakaya, Hisashi Hirano, Hidehisa Takahashi*, Shigeo Ohno* (* Correspondence)
Cell Reports, April 7, 2020 

※本研究は、文部科学省科学研究费補助金、公益財団法人MSD 生命科学財団、公益財団法人内藤記念科学振興財団、公益財団法人上原記念生命科学財団、公益財団法人横浜学術教育振興財団の研究補助金により行われました。

问い合わせ先

(内容に関するお问い合わせ)
医学群 分子生物学 
助教 佐々木 和教
教授 高橋 秀尚
特任教授 大野 茂男
罢贰尝:045-787-2597 

(取材対応窓口、资料请求等)
研究?产学连携推进课长 山﨑 理絵
罢贰尝:045-787-2510 贰-尘补颈濒:kenkyupr@yokohama-cu.ac.jp
 

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