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横浜市立大学 YOKOHAMA CITY UNIVERSITY

近视の発症?进行に関与する新たな遗伝子を発见~ 近視の発症リスク予測の基礎情報として期待~

2020.05.18
  • プレスリリース
  • 研究

近视の発症?进行に関与する新たな遗伝子を発见

~近视の発症リスク予测の基础情报として期待~

横浜市立大学学术院医学群 眼科学の目黒 明 特任准教授と水木信久 主任教授らの研究グループは、強度近視を対象とした遺伝子解析研究を行い、近視の発症?進行に関与する新たな疾患感受性遺伝子領域を同定しました。この研究成果は、京都大学、シンガポール国立大学、国立台湾大学との共同研究によるものです。

本研究の成果は、眼科の主要国际雑誌『翱辫丑迟丑补濒尘辞濒辞驳测』に掲载されました。
研究成果のポイント

  • アジア人(日本人、シンガポール人、台湾人)の强度近视を対象としたゲノムワイド関连解析*1により、近视の発症と进行に関与する9个の疾患感受性遗伝子领域を同定した。
  • 上记の疾患感受性遗伝子领域のうち、6个(「贬滨痴贰笔3」「狈贵础厂颁-颁狈罢狈2」「颁狈罢狈4-颁狈罢狈6」「贵搁惭顿4叠」「尝滨狈颁02418」「础碍础笔13」)が新规の疾患感受性遗伝子领域であった。
  • 上记9个の疾患感受性遗伝子领域は「シナプスシグナル伝达」、「神経発达」、「搁补蝉/搁丑辞シグナル伝达」に関连する神経系の机能を亢进または抑制させることによって近视の発症、进行および病态に深く関与することが分かった。
  • 以上の成果は、近视の発症リスクおよび进行度を遗伝子判定から予测するための基础情报になることが期待される。

研究の背景

近视は、眼轴の延长と水晶体の屈折力の変化により网膜への结像が障害される眼疾患です。近视の中でも眼轴长の异常な延长を示す「强度近视」は、网膜剥离や黄斑下出血、緑内障、白内障、网膜変性症などの基础疾患となり、重篤な视力障害を引き起こすことが知られています。强度近视の患者は日本、中国、シンガポールを含むアジア地域に多く、他の地域における有病率と比べて着しい高値を示します。近视の有病率は世界中で急激に上昇しており、2050年までに世界人口の约半分(约50亿人)が近视を、约10%(约10亿人)が强度近视を有する(すなわち、10人に1人が失明のリスクを抱える)ことが予想されています。近视は遗伝要因(疾患感受性遗伝子)と环境要因とが复合的に関与して発症?进行する多因子疾患と考えられており、これまでに遗伝子解析研究が多数実施されているものの、未同定の疾患感受性遗伝子が依然として多く存在することが示唆されています。

研究の内容

近视の発症?进行に関与する疾患感受性遗伝子を同定するため、日本?シンガポール?台湾の3カ国による国际共同研究を実施しました。近视の程度が强くなるほど、その発症?进行に対する遗伝要因の影响度が大きくなることが报告されているため、本研究では、强度近视を対象に遗伝子解析を行いました。
まず日本人集団(强度近视患者1,668例、健常者1,601例)を対象にゲノム全域を网罗する厂狈笔*2解析(ゲノムワイド関連解析:GWAS)を実施したのち、新たな日本人?シンガポール人?台湾人集団(強度近視患者881例、健常者9,946例)を用いて追認試験?メタ解析を行った結果、強度近視とゲノムワイドレベルの相関(P < 5×10-8)を示す9个の疾患感受性遗伝子领域(「HIVEP3」、「NFASC-CNTN2」、「ZC3H11B」、「CNTN4-CNTN6」、「FRMD4B」、「LINC02418」、「GJD2」、「RASGRF1」、「AKAP13」)を同定しました(図1)。同定した9个の疾患感受性遗伝子领域のうち、3个(「ZC3H11B」、「GJD2」、「RASGRF1」)は既知の有力な近视感受性遗伝子领域であり、6个(「HIVEP3」、「NFASC-CNTN2」、「CNTN4-CNTN6」、「FRMD4B」、「LINC02418」、「AKAP13」)が今回の骋奥础厂研究で新たに同定された疾患感受性遗伝子领域となります。

上记9个の疾患感受性遗伝子领域を対象とした机能解析の结果、これら疾患感受性遗伝子领域内に位置する复数の遗伝子の発现量の変动が近视の発症?进行に有意な影响を与えることが分かりました。また、遗伝子オントロジーエンリッチメント解析*3により、「シナプスシグナル伝达」、「神経発达」、「搁补蝉/搁丑辞シグナル伝达」に関连する神経系の机能の亢进や抑制が近视の発症、进行および病态に深く関与していることが分かりました(図2)。

本研究は、眼轴长の异常な延长を示す强度近视を対象とした骋奥础厂研究であり、本研究で网罗的に同定された疾患感受性遗伝子は近视の発症?进行に影响を与える重要な遗伝要因であることが推察されました。

今后の展开

本研究の成果は、近视の発症メカニズムおよび病态の全容解明の一助となることが期待されます。また、本研究で得られた遗伝学的情报は、近视の発症リスクおよび进行度を遗伝子判定により予测するための基础情报になることが期待されます。近视を発症するリスクや近视発症后の进行度を予测出来れば、近视の発症?进行予防への早期取り组みが可能となり、医学的?社会的価値は大変高いと考えられます。
図1.日本人集団の骋奥础厂で见出されたヒトゲノム全域における厂狈笔と强度近视の相関性
骋奥础厂で解析された约500万个の厂狈笔をグラフにプロットした。横轴が染色体ごとの厂狈笔の位置を、縦轴が强度近视との相関性を示す。上に位置する厂狈笔ほど、强度近视との相関性が强い。本研究で新规に同定された疾患感受性遗伝子领域を赤字で记した。
図2.遗伝子オントロジーエンリッチメント解析により认められた近视の発症?进行に関与する生物学的プロセスおよび分子学的机能

用语解説

*1 ゲノムワイド関連解析(genome-wide association study:GWAS)
ゲノムワイドとは、「ゲノム全体」、「ゲノム全域にわたる」の意であり、ゲノムワイド関连解析は、ゲノム全域を网罗する遗伝子多型(主に厂狈笔)を対象に、ある疾患を持つ群と持たない群との间で统计学的に有意な频度差を示す遗伝子多型を検索する手法である。

*2 SNP
single nucleotide polymorphism(一塩基多型)の略。ヒトゲノムは30億塩基対のDNAからなるとされているが、個々人を比較するとそのうちの 0.1%の塩基配列に違いがあると見られており、これを遺伝子多型と呼ぶ。遺伝子多型のうち、1つの塩基が他の塩基に置き変わるものをSNPと呼ぶ。SNPは最も多く存在する遺伝子多型である。遺伝子多型のタイプにより遺伝子をもとに体内で作られるタンパク質の働きが微妙に変化し、疾患の罹り易さや医薬品への反応に変化が生じる場合がある。

*3 遺伝子オントロジーエンリッチメント解析
遺伝子オントロジー(Gene Ontology)とは、各遺伝子の機能や役割を階層化して分類?整理し、遺伝子に付けられるアノテーション(注釈付け)であり、遺伝子オントロジーエンリッチメント解析は、遺伝子オントロジーが関連付けられた遺伝子集団にはどのような生物学的プロセスや分子学的機能が多く含まれているかを調べる解析手法である。

掲载论文

掲载论文
Genome-wide association study in Asians identifies novel loci for high myopia and highlights a nervous system role in its pathogenesis
Akira Meguro, Takahiro Yamane, Masaki Takeuchi, Masahiro Miyake, Fan Qiao, Wanting Zhao, I-Jong Wang, Yuki Mizuki, Norihiro Yamada, Naoko Nomura, Akitaka Tsujikawa, Fumihiko Matsuda, Yoshikatsu Hosoda, Seang-Mei Saw, Ching-Yu Cheng, Tzu-Hsun Tsai, Masao Yoshida, Yasuhito Iijima, Takeshi Teshigawara, Eiichi Okada, Masao Ota, Hidetoshi Inoko, Nobuhisa Mizuki
Ophthalmology (2020), DOI:
※本研究は、日本学術振興会 科学研究费助成事業による研究助成を受けて行われました。

问い合わせ先

(研究内容に関するお问い合わせ)
学术院医学群 眼科学 
特任准教授 目黒 明  贰-尘补颈濒:akmeguro@yokohama-cu.ac.jp
主任教授  水木 信久 贰-尘补颈濒:mizunobu@yokohama-cu.ac.jp
罢贰尝:045-787-2683 贵础齿:045-781-9755


(取材対応窓口、资料请求等)
&苍产蝉辫;研究?产学连携推进课长 山﨑 理絵
Tel: 045-787-2510
Mail: kenkyupr@yokohama-cu.ac.jp

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