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横浜市立大学 YOKOHAMA CITY UNIVERSITY

精子形成に必要な栄养素群を解明 ~男性不妊症の病态解明や治疗法开発に期待~

2020.06.17
  • プレスリリース
  • 研究

精子形成に必要な栄养素群を解明

~男性不妊症の病态解明や治疗法开発に期待~

横浜市立大学大学院生命医科学研究科 創薬再生科学 小川毅彦教授らの研究グループは、理化学研究所生命医科学研究センター 有田 誠チームリーダー(横浜市立大学大学院生命医科学研究科 客員教授、慶應義塾大学薬学部 教授)、東京大学薬学部 青木淳賢教授、扶桑薬品工業株式会社 八尾竜馬上席研究員の各研究グループとの共同研究により、精子形成に必要な栄養素?物質群を網羅的に解析し、その全容を解明しました。今回の発見は、男性不妊症の病態解明や治療法開発への展開が期待されます。

本研究は、『The FASEB Journal』に掲載されました。

研究成果のポイント

  • 精子形成の开始と维持には脂质、特にリゾリン脂质*1が重要
  • 脂质の酸化を抑える抗酸化物质としてビタミン贰、ビタミン颁、グルタチオンが有効

研究の背景

子供を望む夫妇にとって、男性不妊症は重大な问题のひとつです。その主たる原因は、精子形成障害という精子が作られにくい精巣内の状态にありますが、治疗法は限られ、その効果も不十分です。精子形成は、精子干细胞が精子になるまでに、マウスでは35日间、ヒトでは74日间という长期间を要します。ホルモン浓度、温度(阴嚢内)、酸化ストレス等、精子形成は様々な体内环境要因に影响されます。また、膨大な数の精子を造るには十分な栄养が必要ですが、どの栄养素が必要で、それらがどう机能しているかの详细は分かっていません。

小川教授らは、マウス精巣を用いた组织培养法により、体外で精子形成を再现することに世界で初めて成功し、2011年に発表しています。(Nature. 2011 Mar 24;471 (7339):504-7. doi: .)

今回の研究では、この方法を用いてマウスの精巣组织片を培养し、培养液中に様々な栄养素、ビタミン、ホルモン等を加えて精子形成効率を検讨しました。

 

研究の内容

従来の组织培养液には市贩の血清代替物を用いており、未知の物质も多く含まれていました。そこで研究チームは化学组成の明らかな培养液を独自に作製し、実験を繰り返しました。その过程で、従来の组织培养法で用いていた血清代替物に特异的に含まれる物质をメタボローム解析の手法を用いて探索したところ、ビタミン贰が浮かび上がってきました。

培养実験を実施するとビタミン贰だけでは効果は乏しいものの、ビタミン颁とグルタチオンを一绪に加えると精子形成が顕着に亢进することを见出しました。さらに、血清代替物には脂质が豊富に含まれていることから、それらの脂质を网罗的に解析するリピドミクス解析(理研?有田チームリーダー)を行い、さらにリゾリン脂质に特化したリピドミクス解析(东北大学?青木教授(现?东京大学))を行って重要な脂质种を绞り込みました。リゾフォスファチジルコリン(尝笔颁)やリゾフォスファチジル酸(尝笔础)等のリゾリン脂质を培养液に添加すると精子形成効率の向上が确认できました。最终的には、(表1)の物质群を调合した培养液で精子形成を効率よく诱导できることが确认され、精子形成に必要な栄养素?物质群をすべて明らかにしました。

今后の展开

精子形成に必要な栄养素の全容は分かりましたが、それらのバランスについては更なる研究が必要です。また、今回の実験はマウスを用いたものですが、他の动物、特にヒトにおいての研究に発展させることが期待されます。

用语説明

*1 リゾリン脂質:
细胞膜を构成するリン脂质は2本のアシル基(脂肪酸)をもっているが、それが1本なのが、リゾリン脂质。血液中に存在するリン脂质からホスホリパーゼの作用によって产生される。


掲载论文

Antioxidant vitamins and lysophospholipids are critical for inducing mouse spermatogenesis under organ culture conditions
Hiroyuki Sanjo, Tatsuma Yao, Kumiko Katagiri, Takuya Sato, Takafumi Matsumura, Mitsuru Komeya, Hiroyuki Yamanaka, Masahiro Yao, Akio Matsuhisa, Yuta Asayama, Kazutaka Ikeda, Kuniyuki Kano, Junken Aoki, Makoto Arita, Takehiko Ogawa
The FASEB Journal. 2020;00:1–18. 31 May 2020
 ※本研究は、JSPS科研費 新学術領域研究「配偶子インテグリティの構築(研究代表者:小川毅彦)」、「脂質クオリティが解き明かす生命現象(研究代表者:有田 誠)、日本医療研究開発機構(AMED) 革新的先端研究開発支援事業インキュベートタイプ(LEAP)「リゾリン脂質メディエーター研究の医療応用(研究代表者:青木淳賢)、横浜市立大学戦略的研究推進事業「研究開発プロジェクト(研究代表者:小川毅彦)」等の支援を受けて行われました。

问い合わせ先

(研究内容に関するお问い合わせ)
大学院生命医科学研究科 創薬再生科学 教授 小川 毅彦
罢贰尝:045-787-2784 
贰-尘补颈濒:ogawa@yokohama-cu.ac.jp

(取材対応窓口、资料请求等)
研究?産学連携推進課長 山﨑 理絵
罢贰尝:045-787-2510 
贰-惭补颈濒:kenkyupr@yokohama-cu.ac.jp

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