2020.07.16
- プレスリリース
- 研究
茎が伸长を开始する仕组みの発见
~アクセル因子とブレーキ因子の巧妙なバランスによる茎伸长制御~
本学木原生物学研究所 辻寛之准教授と吉田 綾(大学院生)、名古屋大学生物機能開発利用研究センター永井啓祐助教、芦苅基行教授らの共同研究チームは、これまで謎であった植物の茎が伸長を開始する仕組みを解明しました。約50年前に日本人の研究者らによって、茎伸長の開始を制御する因子の存在が提唱されていましたが、その実態は未解明のままでした。今回、研究チームはイネを使って、茎伸長におけるアクセル役であるACE1遗伝子とブレーキ役であるDEC1遗伝子の2つの因子を発见し、相反する机能を持つこれらの因子のバランスによって、茎が伸长を开始するタイミングが制御されていることを明らかにしました。また、このACE1遗伝子とDEC1遗伝子による茎伸长の制御机构はイネ科植物に共通したメカニズムであることも判明し、本研究成果はイネだけではなく、コムギやオオムギなどのイネ科作物の草丈を人為的に制御する技术への応用が期待されます。
本研究は、冈山大学、横浜市立大学、情报?システム研究机构国立遗伝学研究所、理化学研究所、农业?食品产业技术総合研究机构(以下、农研机构)との共同研究で行われたものです。
この研究成果は、2020年7月16日0时(日本时间)の英国科学雑誌「Nature」オンライン版に掲载されました。
本研究は、冈山大学、横浜市立大学、情报?システム研究机构国立遗伝学研究所、理化学研究所、农业?食品产业技术総合研究机构(以下、农研机构)との共同研究で行われたものです。
この研究成果は、2020年7月16日0时(日本时间)の英国科学雑誌「Nature」オンライン版に掲载されました。
研究成果のポイント
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研究の背景と内容
植物は、叶、茎、根の3つの主要器官から成り立っています。その中で、茎は叶や花を支えるだけでなく、根から吸収した水やミネラルを各组织へ运搬する机能や、叶で行われる光合成によって生产された糖を输送する役割を担っています。また、茎は环境适応や生存竞争においても重要な役割を果たしています。例えば、东南アジアなどの季节性の洪水が発生する地域において、茎を伸长させることができる植物は水没から逃れることができます。また、植物が繁茂する地帯では、茎を伸长させることで、光合成に必要な光を多く得ることができるなど、茎の长さは植物の环境适応に深く関わっています。一方、作物の茎の长さを人為的に制御することは重要な育种目标でもあります。例えば风雨による作物の倒伏は収穫量を大きく减少させるため、イネやコムギなどでは茎を短くする育种が行われており、果树においては収穫効率の向上を目的とした低木化の育种例もあります。このように、植物の茎の伸长制御メカニズムは、生物学的にも兴味深い现象であるばかりか、农业的にも重要な现象です。
そこで研究チームは、植物の茎の中でも、特にイネ科作物の茎の伸长メカニズムの解明を目指して、イネを用いた研究を进めました。
イネ、コムギ、オオムギ、トウモロコシをはじめとするイネ科作物の茎は节と节间から构成されており、节间の长さが草丈に影响します(図1)。植物ホルモンの1つであるジベレリン注1)が、节间の细胞分裂とその后の细胞伸长を促进することで、节间を伸长させることが知られていましたが、分子レベルでの详细な仕组みについては明らかになっていませんでした。また、节间伸长の开始时期を制御する因子の存在は约50年前に日本人の研究者らによって提唱されていましたが、その実态についても未解明のままでした。
私たちは最初に、一般的な水田で栽培されるイネ(一般的なイネ)と浮イネ注2)を用いて、ジベレリンと节间伸长の开始时期の関係を调べました。その结果、惊いたことに浮イネは若い时期(栄养生长期の早い段阶)にジベレリンを投与すると直ぐに応答して节间伸长を行いましたが、一般的なイネは、若い时期にジベレリンを投与しても节间伸长しませんでした。しかし、一般的なイネも成熟期顷(栄养生长期の后半から生殖生长期)になるとジベレリンに応答した节间伸长をしました。この结果は、ジベレリンだけでは节间伸长の开始に十分ではなく、ジベレリンの応答性を高める因子が节间には存在しており、この因子こそが、长い间、谜であった节间伸长の开始时期を决定する因子であることを示しています。そこで、私たちは遗伝学的手法を用いて、イネの节间においてジベレリンの応答性を制御する因子を探索した结果、2つの因子の存在が明らかとなりました。その后、分子生物学的手法による解析を进めた结果、节间伸长を促进する遗伝子ACCELERATOR OF INTERNODE ELONGATION1 (ACE1)と、抑制する遗伝子DECELERATOR OF INTERNODE ELONGATION1 (DEC1)を発见しました。
イネ科の茎(节间)伸长では、节间に存在する介在分裂组织と呼ばれる分裂组织が活性化される必要があります(図1)。ACE1はこの介在分裂组织における细胞分裂を加速させる一方、DEC1は细胞分裂を抑制する机能があります。浮イネでは若い时期からジベレリン量の増加と础颁贰1タンパク质量の増加が合わさることで节间における细胞分裂が促进されて节间が伸长しますが、一般的なイネではACE1遗伝子に突然変异が入っており、正常な础颁贰1タンパク质が作られないために若い时期にいくらジベレリンを加えても节间伸长をしないことが判明しました(図2)。しかし、一般的なイネにおいても成熟期になるとACE1遗伝子によく似た遗伝子であるACE1-like1遗伝子の発现量が増加することで、植物内で合成されたジベレリンに対する応答性が上昇し、それに伴って介在分裂组织における细胞分裂が活性化されることにより节间伸长することが明らかとなりました(図2)。また、一般的なイネの顿贰颁1タンパク质も浮イネの顿贰颁1タンパク质も节间における细胞分裂を抑制する机能がありますが、浮イネではジベレリン量の増加によってDEC1遗伝子の発现が减少することで节间における细胞分裂が促进されました(図2)。一方、一般的なイネでは、浮イネで観察されたようなジベレリンによるDEC1遗伝子の発现抑制は起こりませんでした。しかし、一般的なイネにおいても叶齢(主茎の叶数)の増加に伴ってDEC1遗伝子の発现量が徐々に减少していき、成熟期にはその発现が顕着に减少することから、一般的なイネでは成熟期に顿贰颁1による细胞分裂の抑制が解除されることで节间伸长が起きると考えられました。浮イネでは、浮イネ型のACE1遗伝子(机能型)とDEC1遗伝子(若い时期から発现が低下する型)の両方が存在することで、単独で存在する时よりもさらに节间伸长が诱导されたことから、础颁贰1と顿贰颁1はそれぞれが独立して细胞分裂を制御していることが示されました。また、コムギの近縁种であるミナトカモジグサや、その他にもオオムギやサトウキビにイネのACE1遗伝子を导入した植物は节间伸长を促进し、一方でイネのDEC1遺伝子を発現させたオオムギでは節間の伸長が抑制されたことから、イネにおいて発見したACE1遗伝子とDEC1遺伝子による節間伸長の開始メカニズムはイネ科植物において共通した制御メカニズムであると言うことができ、ACE1遗伝子とDEC1遗伝子は今后の作物育种において広く応用できるものと考えられます。
さらに、私たちは、ACE1遗伝子とDEC1遗伝子を手掛かりにして、栽培イネとその祖先种である野生イネ注3)の遗伝子情报を比较することにより、イネにおいてこれらの遗伝子がどのように伝わってきたのかについても解析を行いました。その结果、浮イネが持つ伸长促进効果があるACE1遗伝子と一般的なイネが持つ機能が壊れたACE1遗伝子、および発现制御が异なる浮イネのDEC1遗伝子と一般的なイネのDEC1遗伝子は、野生イネの时点から存在しており、それぞれの遗伝子タイプが、草丈を小さくするための栽培化の过程、または节间伸长による洪水环境适応の过程において选抜されてきたことが明らかになりました。また、浮イネのACE1遗伝子とDEC1遗伝子に加え、これまでに私たちの研究によって明らかにしてきた浮イネの节间伸长に関わる遗伝子注4)を一般的なイネに导入したところ、洪水环境においても节间を伸长させることで生き残ることができ、最终的には种子を収穫するまでに至りました。これらの结果は、これまでに発见した浮イネの节间伸长に関わる遗伝子に加え、ACE1遗伝子とDEC1遗伝子はイネの洪水环境への适応にとても重要な役割を果たしており、これらの遗伝子を组み合わせることで、节间伸长による洪水耐性を获得したイネを育种できるものと考えています。
そこで研究チームは、植物の茎の中でも、特にイネ科作物の茎の伸长メカニズムの解明を目指して、イネを用いた研究を进めました。
イネ、コムギ、オオムギ、トウモロコシをはじめとするイネ科作物の茎は节と节间から构成されており、节间の长さが草丈に影响します(図1)。植物ホルモンの1つであるジベレリン注1)が、节间の细胞分裂とその后の细胞伸长を促进することで、节间を伸长させることが知られていましたが、分子レベルでの详细な仕组みについては明らかになっていませんでした。また、节间伸长の开始时期を制御する因子の存在は约50年前に日本人の研究者らによって提唱されていましたが、その実态についても未解明のままでした。
私たちは最初に、一般的な水田で栽培されるイネ(一般的なイネ)と浮イネ注2)を用いて、ジベレリンと节间伸长の开始时期の関係を调べました。その结果、惊いたことに浮イネは若い时期(栄养生长期の早い段阶)にジベレリンを投与すると直ぐに応答して节间伸长を行いましたが、一般的なイネは、若い时期にジベレリンを投与しても节间伸长しませんでした。しかし、一般的なイネも成熟期顷(栄养生长期の后半から生殖生长期)になるとジベレリンに応答した节间伸长をしました。この结果は、ジベレリンだけでは节间伸长の开始に十分ではなく、ジベレリンの応答性を高める因子が节间には存在しており、この因子こそが、长い间、谜であった节间伸长の开始时期を决定する因子であることを示しています。そこで、私たちは遗伝学的手法を用いて、イネの节间においてジベレリンの応答性を制御する因子を探索した结果、2つの因子の存在が明らかとなりました。その后、分子生物学的手法による解析を进めた结果、节间伸长を促进する遗伝子ACCELERATOR OF INTERNODE ELONGATION1 (ACE1)と、抑制する遗伝子DECELERATOR OF INTERNODE ELONGATION1 (DEC1)を発见しました。
イネ科の茎(节间)伸长では、节间に存在する介在分裂组织と呼ばれる分裂组织が活性化される必要があります(図1)。ACE1はこの介在分裂组织における细胞分裂を加速させる一方、DEC1は细胞分裂を抑制する机能があります。浮イネでは若い时期からジベレリン量の増加と础颁贰1タンパク质量の増加が合わさることで节间における细胞分裂が促进されて节间が伸长しますが、一般的なイネではACE1遗伝子に突然変异が入っており、正常な础颁贰1タンパク质が作られないために若い时期にいくらジベレリンを加えても节间伸长をしないことが判明しました(図2)。しかし、一般的なイネにおいても成熟期になるとACE1遗伝子によく似た遗伝子であるACE1-like1遗伝子の発现量が増加することで、植物内で合成されたジベレリンに対する応答性が上昇し、それに伴って介在分裂组织における细胞分裂が活性化されることにより节间伸长することが明らかとなりました(図2)。また、一般的なイネの顿贰颁1タンパク质も浮イネの顿贰颁1タンパク质も节间における细胞分裂を抑制する机能がありますが、浮イネではジベレリン量の増加によってDEC1遗伝子の発现が减少することで节间における细胞分裂が促进されました(図2)。一方、一般的なイネでは、浮イネで観察されたようなジベレリンによるDEC1遗伝子の発现抑制は起こりませんでした。しかし、一般的なイネにおいても叶齢(主茎の叶数)の増加に伴ってDEC1遗伝子の発现量が徐々に减少していき、成熟期にはその発现が顕着に减少することから、一般的なイネでは成熟期に顿贰颁1による细胞分裂の抑制が解除されることで节间伸长が起きると考えられました。浮イネでは、浮イネ型のACE1遗伝子(机能型)とDEC1遗伝子(若い时期から発现が低下する型)の両方が存在することで、単独で存在する时よりもさらに节间伸长が诱导されたことから、础颁贰1と顿贰颁1はそれぞれが独立して细胞分裂を制御していることが示されました。また、コムギの近縁种であるミナトカモジグサや、その他にもオオムギやサトウキビにイネのACE1遗伝子を导入した植物は节间伸长を促进し、一方でイネのDEC1遺伝子を発現させたオオムギでは節間の伸長が抑制されたことから、イネにおいて発見したACE1遗伝子とDEC1遺伝子による節間伸長の開始メカニズムはイネ科植物において共通した制御メカニズムであると言うことができ、ACE1遗伝子とDEC1遗伝子は今后の作物育种において広く応用できるものと考えられます。
さらに、私たちは、ACE1遗伝子とDEC1遗伝子を手掛かりにして、栽培イネとその祖先种である野生イネ注3)の遗伝子情报を比较することにより、イネにおいてこれらの遗伝子がどのように伝わってきたのかについても解析を行いました。その结果、浮イネが持つ伸长促进効果があるACE1遗伝子と一般的なイネが持つ機能が壊れたACE1遗伝子、および発现制御が异なる浮イネのDEC1遗伝子と一般的なイネのDEC1遗伝子は、野生イネの时点から存在しており、それぞれの遗伝子タイプが、草丈を小さくするための栽培化の过程、または节间伸长による洪水环境适応の过程において选抜されてきたことが明らかになりました。また、浮イネのACE1遗伝子とDEC1遗伝子に加え、これまでに私たちの研究によって明らかにしてきた浮イネの节间伸长に関わる遗伝子注4)を一般的なイネに导入したところ、洪水环境においても节间を伸长させることで生き残ることができ、最终的には种子を収穫するまでに至りました。これらの结果は、これまでに発见した浮イネの节间伸长に関わる遗伝子に加え、ACE1遗伝子とDEC1遗伝子はイネの洪水环境への适応にとても重要な役割を果たしており、これらの遗伝子を组み合わせることで、节间伸长による洪水耐性を获得したイネを育种できるものと考えています。
成果の意义
本研究において発见した、相反する作用を示す2つの因子によって、茎(节间)の伸长を促进するジベレリンと、イネの节间伸长の开始メカニズムとの间に1つの桥を架けることに成功しました。本研究は、浮イネという特殊なイネにおける节间伸长の开始メカニズムに関わる2つの遗伝子の発见に始まり、その后、一般的なイネにおける节间伸长の开始メカニズムの解明、节间の伸长开始を制御する遗伝子の栽培化または环境适応における选抜过程の解明、さらに洪水耐性イネの育种やイネ科作物への応用の可能性を示しました。このことは、浮イネという特殊なイネや野生イネを含めて、「イネ」という植物が持っている多様性に着目して研究を行うことが、いまだ明らかにされていない生物学的现象のメカニズムを解く键となることを示しています。今回明らかになった成果を応用することにより、高収量の浮イネ品种の开発や、様々な环境変化に応じてイネやその他のイネ科作物の草丈を调整する技术の确立が期待されます。
【参考図】
図1
図2
用语説明
注1):ジベレリン
约100年前に日本人の研究者によって明らかにされた、植物の生长を制御する植物ホルモン(低分子有机化合物)の1つ。植物において细胞分裂や细胞伸长の促进、种子の発芽促进など、多岐にわたる机能を持つ。ジベレリンには复数の分子种が存在しているが、骋础1および骋础4が主要な活性型ジベレリンとして机能している。
注2):浮イネ
东南アジアでは、毎年、雨季になると水かさが数メートルにもなる洪水が発生し、この过酷な环境が约4~5ヵ月続く。このような环境では、ほとんどの植物は水没してしまい、呼吸ができず生き残ることができない。一方、バングラデシュやタイなどの东南アジアの国々の洪水が発生する地域では、雨季に向けて「浮イネ」と呼ばれるイネをあらかじめ作付けしている。「浮イネ」は、水の深さに応じて茎(节间)を伸长させるため、洪水环境においても叶先を常に水面より上に出すことで生き残ることができる。そのため、洪水地域に暮らす人々は雨季に洪水が発生してもイネを収穫することができる。品种によってはこの节间の伸长能力が非常に高く、时には草丈が数メートルにおよぶイネも存在する。浮イネの节间伸长には植物ホルモンのうち、エチレンやジベレリンが関わっていることが知られている。
注3):野生イネ
Oryza属のうちアジア栽培イネ(O. sativa)とアフリカ栽培イネ(O. glaberrima)を除いた约20种のイネのこと。アジア栽培イネ(O. sativa)は、野生イネのO. rufipogonから约8,000年の年月をかけて栽培化されたと考えられている。本研究では野生种として28系统のO. rufipogonを用いた。
注4):浮イネの节间伸长に関わる遗伝子
过去の研究において植物ホルモンであるエチレンとジベレリンが浮イネの节间伸长を促进することが知られていた。本研究グループではこれまでに、洪水环境によって植物内に蓄积したエチレンに応答して节间伸长を促进する遗伝子SNORKEL1およびSNORKEL2を発见した(贬补迟迟辞谤颈 et al. 2009, Nature)。この遗伝子はエチレンによって発现量が上昇し、その结果、节间伸长が引き起こされることが明らかとなった。一般的なイネではSNORKEL遗伝子が存在していないためエチレンによる节间伸长が起こらないと考えられた。また、浮イネにエチレンを与えた时に、ジベレリンの生合成量が増加することがこれまでの研究から知られていた。本研究グループは浮イネにおいて、エチレンのシグナルを伝えるタンパク质翱蝉贰滨尝1が、ジベレリン生合成酵素をコードしている遗伝子GA20ox2の発现量を浮イネにおいて増加させることで、エチレンによるジベレリン量の増加メカニズムを明らかにした(碍耻谤辞丑补 et al. 2018, Science)。本研究では新たに、ジベレリンに応答して节间伸长の开始を制御するACE1遗伝子とDEC1遗伝子を発见した。
约100年前に日本人の研究者によって明らかにされた、植物の生长を制御する植物ホルモン(低分子有机化合物)の1つ。植物において细胞分裂や细胞伸长の促进、种子の発芽促进など、多岐にわたる机能を持つ。ジベレリンには复数の分子种が存在しているが、骋础1および骋础4が主要な活性型ジベレリンとして机能している。
注2):浮イネ
东南アジアでは、毎年、雨季になると水かさが数メートルにもなる洪水が発生し、この过酷な环境が约4~5ヵ月続く。このような环境では、ほとんどの植物は水没してしまい、呼吸ができず生き残ることができない。一方、バングラデシュやタイなどの东南アジアの国々の洪水が発生する地域では、雨季に向けて「浮イネ」と呼ばれるイネをあらかじめ作付けしている。「浮イネ」は、水の深さに応じて茎(节间)を伸长させるため、洪水环境においても叶先を常に水面より上に出すことで生き残ることができる。そのため、洪水地域に暮らす人々は雨季に洪水が発生してもイネを収穫することができる。品种によってはこの节间の伸长能力が非常に高く、时には草丈が数メートルにおよぶイネも存在する。浮イネの节间伸长には植物ホルモンのうち、エチレンやジベレリンが関わっていることが知られている。
注3):野生イネ
Oryza属のうちアジア栽培イネ(O. sativa)とアフリカ栽培イネ(O. glaberrima)を除いた约20种のイネのこと。アジア栽培イネ(O. sativa)は、野生イネのO. rufipogonから约8,000年の年月をかけて栽培化されたと考えられている。本研究では野生种として28系统のO. rufipogonを用いた。
注4):浮イネの节间伸长に関わる遗伝子
过去の研究において植物ホルモンであるエチレンとジベレリンが浮イネの节间伸长を促进することが知られていた。本研究グループではこれまでに、洪水环境によって植物内に蓄积したエチレンに応答して节间伸长を促进する遗伝子SNORKEL1およびSNORKEL2を発见した(贬补迟迟辞谤颈 et al. 2009, Nature)。この遗伝子はエチレンによって発现量が上昇し、その结果、节间伸长が引き起こされることが明らかとなった。一般的なイネではSNORKEL遗伝子が存在していないためエチレンによる节间伸长が起こらないと考えられた。また、浮イネにエチレンを与えた时に、ジベレリンの生合成量が増加することがこれまでの研究から知られていた。本研究グループは浮イネにおいて、エチレンのシグナルを伝えるタンパク质翱蝉贰滨尝1が、ジベレリン生合成酵素をコードしている遗伝子GA20ox2の発现量を浮イネにおいて増加させることで、エチレンによるジベレリン量の増加メカニズムを明らかにした(碍耻谤辞丑补 et al. 2018, Science)。本研究では新たに、ジベレリンに応答して节间伸长の开始を制御するACE1遗伝子とDEC1遗伝子を発见した。
掲载雑誌、论文名、着者
雑誌名:Nature
論文タイトル:Antagonistic regulation of the gibberellic acid response during stem growth in rice
著者名:Keisuke Nagai, Yoshinao Mori, Shin Ishikawa, Tomoyuki Furuta, Rico Gamuyao, Yoko Niimi, Tokunori Hobo, Moyuri Fukuda, Mikiko Kojima, Yumiko Takebayashi, Atsushi Fukushima, Yasuyo Himuro, Masatomo Kobayashi, Wataru Ackley, Hiroshi Hisano, Kazuhiro Sato, Aya Yoshida, Jianzhong Wu, Hitoshi Sakakibara, Yutaka Sato, Hiroyuki Tsuji, Takashi Akagi and Motoyuki Ashikari
顿翱滨:
論文タイトル:Antagonistic regulation of the gibberellic acid response during stem growth in rice
著者名:Keisuke Nagai, Yoshinao Mori, Shin Ishikawa, Tomoyuki Furuta, Rico Gamuyao, Yoko Niimi, Tokunori Hobo, Moyuri Fukuda, Mikiko Kojima, Yumiko Takebayashi, Atsushi Fukushima, Yasuyo Himuro, Masatomo Kobayashi, Wataru Ackley, Hiroshi Hisano, Kazuhiro Sato, Aya Yoshida, Jianzhong Wu, Hitoshi Sakakibara, Yutaka Sato, Hiroyuki Tsuji, Takashi Akagi and Motoyuki Ashikari
顿翱滨:
着者所属
名古屋大学生物機能開発利用研究センター(永井啓祐、森欣順、石川慎、Rico Gamuyao、新美陽子、保浦徳典、福田萌莉、芦苅基行)
名古屋大学大学院生命农学研究科(榊原均)
冈山大学农学部(赤木刚士)
冈山大学资源植物科学研究所(古田智敬、久野裕、佐藤和広)
横浜市立大学木原生物学研究所(吉田綾、辻寛之)
情报?システム研究机构国立遗伝学研究所(佐藤豊)
理化学研究所环境资源科学研究センター(小嶋美纪子、竹林裕美子、福岛敦史)
理化学研究所バイオリソース研究センター(氷室泰代、小林正智)
农研机构(呉健忠、アキリ亘)
名古屋大学大学院生命农学研究科(榊原均)
冈山大学农学部(赤木刚士)
冈山大学资源植物科学研究所(古田智敬、久野裕、佐藤和広)
横浜市立大学木原生物学研究所(吉田綾、辻寛之)
情报?システム研究机构国立遗伝学研究所(佐藤豊)
理化学研究所环境资源科学研究センター(小嶋美纪子、竹林裕美子、福岛敦史)
理化学研究所バイオリソース研究センター(氷室泰代、小林正智)
农研机构(呉健忠、アキリ亘)
研究费
&苍产蝉辫;?科学技术振兴机构(闯厂罢)地球规模课题対応国际科学技术协力プログラム(厂础罢搁贰笔厂)
「ミャンマーにおけるイネゲノム育种システム强化」(闯笔惭闯厂础1706)
?科学技术振兴机构(闯厂罢)戦略的创造研究推进事业チーム型研究(颁搁贰厂罢)
「作物の地下茎による栄养繁殖化に向けた基盘技术の开発」(闯笔惭闯颁搁13叠1)
?理研-名古屋大科学技术ハブ
?文部科学省新学术领域研究「干细胞増殖を制御する植物ホルモンの机能解明」(17贬06473)
?文部科学省新学术领域研究
「花成ホルモン?フロリゲンを起点とする花形成の「键と键穴」相互作用の解明」(16贬06466)
?科研費 若手研究(B)(16K18565)
?科研費 若手研究(19K15815)
?新农业展开ゲノムプロジェクト(蚕罢尝5003)
「ミャンマーにおけるイネゲノム育种システム强化」(闯笔惭闯厂础1706)
?科学技术振兴机构(闯厂罢)戦略的创造研究推进事业チーム型研究(颁搁贰厂罢)
「作物の地下茎による栄养繁殖化に向けた基盘技术の开発」(闯笔惭闯颁搁13叠1)
?理研-名古屋大科学技术ハブ
?文部科学省新学术领域研究「干细胞増殖を制御する植物ホルモンの机能解明」(17贬06473)
?文部科学省新学术领域研究
「花成ホルモン?フロリゲンを起点とする花形成の「键と键穴」相互作用の解明」(16贬06466)
?科研費 若手研究(B)(16K18565)
?科研費 若手研究(19K15815)
?新农业展开ゲノムプロジェクト(蚕罢尝5003)
谢辞
浮イネ、野生イネ、オオムギの研究材料は、情报?システム研究机构国立遗伝学研究所およびナショナルバイオリソースプロジェクト(狈叠搁笔)から分譲顶きました。
问い合わせ先
(取材対応窓口、资料请求など)
横浜市立大学 研究?产学连携推进课 研究企画担当
罢贰尝:045-787-2527
E-mail : kenkyupr@yokohama-cu.ac.jp