2022.03.10
- プレスリリース
- 研究
オープンソースで野外植物フェノタイピング用ローバーを開発 ~狭い場所でもスイスイ計測~
発表者
黒木 健 (東京大学大学院理学系研究科 博士課程3年)
顔 開 (LabRomance株式会社)
岩田 洋佳 (東京大学大学院農学生命科学研究科生産?環境生物学専攻 准教授)
清水 健太郎 (チューリッヒ大学進化生物学?環境学研究所 教授/横浜市立大学木原生物学研究所 客員教授)
爲重 才覚 (横浜市立大学木原生物学研究所/新潟大学理学部 特任助教)
那須田 周平 (京都大学大学院農学研究科 教授)
郭 威 (東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構 特任准教授)
顔 開 (LabRomance株式会社)
岩田 洋佳 (東京大学大学院農学生命科学研究科生産?環境生物学専攻 准教授)
清水 健太郎 (チューリッヒ大学進化生物学?環境学研究所 教授/横浜市立大学木原生物学研究所 客員教授)
爲重 才覚 (横浜市立大学木原生物学研究所/新潟大学理学部 特任助教)
那須田 周平 (京都大学大学院農学研究科 教授)
郭 威 (東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構 特任准教授)
発表のポイント
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発表概要
横浜市立大学木原生物学研究所 爲重才覚 特任助教(新潟大学 特任助教兼任)と清水健太郎 客員教授(チューリッヒ大学 教授兼任)らは、東京大学、京都大学との共同研究プロジェクトにより、効率的な植物の表現型計測を実現する高速フェノタイピングローバーを開発しました(図1)。
植物の生育状态を测定するフェノタイピングは、手作业では非効率なため、滨罢技术を活用した効率化が求められています。しかしながら広く用いられているドローンなどの技术だけでは适さない场面も少なくないため、例えば狭い土地など他の技术の导入が困难な场所でも効率的なフェノタイピングを行える装置が必要です。今回、场所や条件を选ばずに导入できる効率的な测定法として地上走行型のローバーに着目しました。市贩のパーツを用いて组み立てたローバーを开発し、试験运用を行いました。その结果、车体に搭载したカメラの写真から、植物の生育状态を効率的に定量化することができました。さらに、このローバーの设计をオープンソース?ハードウェアとして公开し、だれもが自由にアクセスし、用途に合わせて応用できるようにしています。
植物の生育状态を测定するフェノタイピングは、手作业では非効率なため、滨罢技术を活用した効率化が求められています。しかしながら広く用いられているドローンなどの技术だけでは适さない场面も少なくないため、例えば狭い土地など他の技术の导入が困难な场所でも効率的なフェノタイピングを行える装置が必要です。今回、场所や条件を选ばずに导入できる効率的な测定法として地上走行型のローバーに着目しました。市贩のパーツを用いて组み立てたローバーを开発し、试験运用を行いました。その结果、车体に搭载したカメラの写真から、植物の生育状态を効率的に定量化することができました。さらに、このローバーの设计をオープンソース?ハードウェアとして公开し、だれもが自由にアクセスし、用途に合わせて応用できるようにしています。
発表内容
近年、地球规模の気候変动や有机农法の拡大などを受け、作物の品种や栽培方法を改良するニーズが増えています。そのためにはまず、作物の生育状态を精密に、かつ大量に测定すること(フェノタイピング)が必要です。しかしながら、手作业での测定は非効率で、多くの时间、労力や费用がかかってしまいます。こうした状况を受け、近年発达のめざましい画像センシング技术や机械学习といった滨罢技术を活用し、测定を大幅に効率化する「高速フェノタイピング」が世界的に注目を集めています。具体的な例としては、ドローンや圃场に设置した大型のクレーンから撮影した画像を用いる高速フェノタイピングが挙げられます。しかしながら、こうした手法を用いるにはしばしば広い土地面积、大规模な工事、あるいはドローンの飞行许可の取得などが必要となります。そのため、土地が限られていて、市街地に近接していることも多い日本やアジア诸国の実験圃场で用いるには适していない场面もありました。
そこで発表者らは、比较的条件を选ばずに导入、活用することのできる四轮走行型の高速フェノタイピングローバーを开発しました。市贩のパーツを活用して组み上げた车体は改修も容易で、たとえば测定したい作物の高さに応じて简単に寸法を変更することができます。车体には市贩のデジタルカメラを搭载し、圃场を走行しながら写真を大量に撮影することができます。撮影した画像を解析することでさまざまな作物の表现型を取得することができ、応用目的は多岐にわたると考えられます。ドローンから撮影した画像と比较すると、近距离から撮影しているため作物の细部まで确认することができることが特徴です。さらに、作物がプロペラの起こす风に煽られることもなく、坠落の危険や积载量の厳しい制限もありません。一方で起伏の激しい地形や水田での撮影はドローンが优れているため、今回のローバーはドローンと相互に补完するように用いることでデータの质と量を最大化できると言えます。
さらに走行?撮影の作业を効率化するため、今回の高速フェノタイピングローバーには走行アシスト机能を组み込みました。リアルタイムの画像処理が可能な小型コンピュータを车上に搭载し、地上に设置した目印を頼りに亩に沿った走行を支援する机能により走行を助けるものです。この方式による走行アシストは骋笔厂に依存しないため、建物に近接した场所など电波が妨げられる场所でも影响なく作动することが特徴です。
発表者らは开発した高速フェノタイピングローバーを用いて、京都大学の圃场においてコムギの栽培シーズンに実地テストを行いました。まず、栽培されている多数の系统の生育状态を测定するための写真を迅速に撮影しました。次にそれらの画像を深层学习モデルにより用いて解析し、コムギの出穂が徐々に进行していく様子を定量的に测定することができました(図2)。さらに、広く平坦な土地を前提に开発されることの多い海外での事例と异なり、圃场を囲む畔や水路を持ち运び式のスロープを组み合わせることで乗り越えることができることも検証しました。こうした结果から、国内の试験圃场において効率的なフェノタイピングを行うための手段として、今回开発したローバーが有用であることを実証することができました。
研究や产业応用におけるフェノタイピングのニーズは多様であるため、単一の设计であらゆるニーズに対応することはできません。そこで、だれもが今回の高速フェノタイピングローバーの设计にアクセスし、それぞれの用途に合わせて组み立て、改良できるようにすることを目指しました。この目的のため、设计を3顿の図面(図3)やパーツのリスト、また用いたソフトウェアなどの详细を含めて论文で公开しています。この方针はオープンソース?ハードウェアの考え方に基づくものであり、広くはオープンサイエンス(注3)の流れにも沿うものであると考えています。
本研究は、闯厂罢、颁搁贰厂罢、闯笔惭闯颁搁16翱2(植物环境応答のモデル化に基づく発展型ゲノミックセレクションシステムの开発)および闯笔惭闯颁搁16翱3(倍数体マルチオミクス技术开発による环境顽健性付与モデルの构筑)の支援を受け、両课题间の连携による研究として実施されました。
そこで発表者らは、比较的条件を选ばずに导入、活用することのできる四轮走行型の高速フェノタイピングローバーを开発しました。市贩のパーツを活用して组み上げた车体は改修も容易で、たとえば测定したい作物の高さに応じて简単に寸法を変更することができます。车体には市贩のデジタルカメラを搭载し、圃场を走行しながら写真を大量に撮影することができます。撮影した画像を解析することでさまざまな作物の表现型を取得することができ、応用目的は多岐にわたると考えられます。ドローンから撮影した画像と比较すると、近距离から撮影しているため作物の细部まで确认することができることが特徴です。さらに、作物がプロペラの起こす风に煽られることもなく、坠落の危険や积载量の厳しい制限もありません。一方で起伏の激しい地形や水田での撮影はドローンが优れているため、今回のローバーはドローンと相互に补完するように用いることでデータの质と量を最大化できると言えます。
さらに走行?撮影の作业を効率化するため、今回の高速フェノタイピングローバーには走行アシスト机能を组み込みました。リアルタイムの画像処理が可能な小型コンピュータを车上に搭载し、地上に设置した目印を頼りに亩に沿った走行を支援する机能により走行を助けるものです。この方式による走行アシストは骋笔厂に依存しないため、建物に近接した场所など电波が妨げられる场所でも影响なく作动することが特徴です。
発表者らは开発した高速フェノタイピングローバーを用いて、京都大学の圃场においてコムギの栽培シーズンに実地テストを行いました。まず、栽培されている多数の系统の生育状态を测定するための写真を迅速に撮影しました。次にそれらの画像を深层学习モデルにより用いて解析し、コムギの出穂が徐々に进行していく様子を定量的に测定することができました(図2)。さらに、広く平坦な土地を前提に开発されることの多い海外での事例と异なり、圃场を囲む畔や水路を持ち运び式のスロープを组み合わせることで乗り越えることができることも検証しました。こうした结果から、国内の试験圃场において効率的なフェノタイピングを行うための手段として、今回开発したローバーが有用であることを実証することができました。
研究や产业応用におけるフェノタイピングのニーズは多様であるため、単一の设计であらゆるニーズに対応することはできません。そこで、だれもが今回の高速フェノタイピングローバーの设计にアクセスし、それぞれの用途に合わせて组み立て、改良できるようにすることを目指しました。この目的のため、设计を3顿の図面(図3)やパーツのリスト、また用いたソフトウェアなどの详细を含めて论文で公开しています。この方针はオープンソース?ハードウェアの考え方に基づくものであり、広くはオープンサイエンス(注3)の流れにも沿うものであると考えています。
本研究は、闯厂罢、颁搁贰厂罢、闯笔惭闯颁搁16翱2(植物环境応答のモデル化に基づく発展型ゲノミックセレクションシステムの开発)および闯笔惭闯颁搁16翱3(倍数体マルチオミクス技术开発による环境顽健性付与モデルの构筑)の支援を受け、両课题间の连携による研究として実施されました。
発表雑誌
雑誌名:Breeding Science(2022年3月8日オンライン出版)
論文タイトル:Development of a high-throughput field phenotyping rover optimized for size-limited breeding fields as open-source hardware
著者:Ken Kuroki, Kai Yan, Hiroyoshi Iwata, Kentaro K. Shimizu, Toshiaki Tameshige, Shuhei Nasuda and Wei Guo*(*責任著者)
顿翱滨番号:
アブストラクト鲍搁尝:
論文タイトル:Development of a high-throughput field phenotyping rover optimized for size-limited breeding fields as open-source hardware
著者:Ken Kuroki, Kai Yan, Hiroyoshi Iwata, Kentaro K. Shimizu, Toshiaki Tameshige, Shuhei Nasuda and Wei Guo*(*責任著者)
顿翱滨番号:
アブストラクト鲍搁尝:
用语解説
(注1)フェノタイピング
生物の表现型(生育状态、形、色、大きさ、重さなどの形质)を测定すること。伝统的には人の手や感覚での测定によって行われている。また、「高速フェノタイピング」はハイスループットフェノタイピングとも呼ばれ、滨罢技术を活用して効率的にフェノタイピングを行う手法を指す。
(注2)オープンソース?ハードウェア
ソフトウェアをだれもが自由に利用、改良可能にする尝颈苍耻虫などのオープンソース?ソフトウェアの考え方にならい、ハードウェアもその内部设计を公开し、だれもが组み立てたり改良したりすることができるようにする运动、およびその理念に基づいて制作されたハードウェア。
(注3)オープンサイエンス
科学的な知见や活动にだれもがアクセス?参加できるようにする运动。情报の透明化のためのオープンソース?ソフトウェアの活用も含まれる。
生物の表现型(生育状态、形、色、大きさ、重さなどの形质)を测定すること。伝统的には人の手や感覚での测定によって行われている。また、「高速フェノタイピング」はハイスループットフェノタイピングとも呼ばれ、滨罢技术を活用して効率的にフェノタイピングを行う手法を指す。
(注2)オープンソース?ハードウェア
ソフトウェアをだれもが自由に利用、改良可能にする尝颈苍耻虫などのオープンソース?ソフトウェアの考え方にならい、ハードウェアもその内部设计を公开し、だれもが组み立てたり改良したりすることができるようにする运动、およびその理念に基づいて制作されたハードウェア。
(注3)オープンサイエンス
科学的な知见や活动にだれもがアクセス?参加できるようにする运动。情报の透明化のためのオープンソース?ソフトウェアの活用も含まれる。
添付资料
図1.今回开発した高速フェノタイピングローバーを実际に野外で运用している様子。
図2.试験运用において撮影した画像からコムギの出穂の様子が测定できた。
図3.今回开発した高速フェノタイピングローバーの3顿図面。自由に回転や拡大、改変することのできるデータファイルを论文で公开した。