2022.11.08
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- 研究
- 理学部
花と実りをもたらす新しい分子の开発へ
横浜市立大学木原生物学研究所の辻寛之准教授(国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学 生物機能開発利用研究センター?大学院生命農学研究科 教授)、田岡健一郎博士らの研究グループは、横浜国立大学大学院工学研究院 児嶋長次郎教授及び神戸大学、大阪大学、京都大学、鹿児島大学、名城大学との共同研究で、フロリゲン*1の机能を直接制御できる化合物を新たに発见しました。
本研究では、植物に花芽を形成させる最强の运命决定因子?フロリゲンの机能を直接制御できる化合物を新たに発见、花と実りをもたらす新しい技术の开発への応用が期待されます。
本研究成果は、英国の科学雑誌『The Plant Journal』に掲載されました。(2022年10月26日付)
本研究では、植物に花芽を形成させる最强の运命决定因子?フロリゲンの机能を直接制御できる化合物を新たに発见、花と実りをもたらす新しい技术の开発への応用が期待されます。
本研究成果は、英国の科学雑誌『The Plant Journal』に掲載されました。(2022年10月26日付)
研究成果のポイント
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研究背景と内容
フロリゲンは植物の花の発生を诱导する最强の运命决定因子です(図1)。フロリゲンの正体は贵罢と呼ばれる球状タンパク质です。フロリゲンが适切に机能することで花と実りがもたらされ、人类の食と生存が支えられます。またフロリゲンは花芽分化だけでなく、ジャガイモの块茎形成など农业生产上重要な発生过程を制御しています。このためフロリゲンの理解と制御は农学の重要な研究テーマの一つに位置づけられています。
(図1)フロリゲン
フロリゲンの机能を制御する方法としてこれまでは交配による品种改良や电照などの大规模な环境制御が行われてきました。これらの技术は実施するのに比较的长い时间を必要としていたり、大规模な施设が必要であったりという课题がありました。もし低分子化合物の投与によってフロリゲンの机能を直接制御できれば、简便な新技术として活用が期待されます。しかしこれまでにフロリゲンの机能を化合物で制御する技术は存在しませんでした。
本研究では、フロリゲンの机能を制御する化合物を発见することに成功しました。このために、私たちはフロリゲンの机能を担うタンパク质复合体?フロリゲン活性化复合体の构造に注目しました(図2)。フロリゲン活性化复合体を标的とするハイスループットスクリーニング実験系、复合体の细胞内再构筑実験系などの独自の技术を开発し、フロリゲン活性化复合体の形成を直接阻害する化合物を発见することができました(図3)。
(左:図2) フロリゲン活性化复合体、(右:図3)フロリゲンの机能を制御する化合物のスクリーニング
得られた化合物によってウキクサの花成を阻害することに成功しました(図4)。また、フロリゲンはイネの枝数を増やしたりジャガイモの块茎形成も诱导したりする机能を持っていますが、これら机能も阻害することに成功しました。これらの结果から、私たちは世界ではじめてフロリゲン活性化复合体の形成を直接阻害する机能的な化合物を発见したと结论づけました。本研究で発见した化合物をもとにした改良を行うことで、より効果的な化合物の开発につながると期待できます。
(図4)化合物厂4によるウキクサの花芽分化の阻害
本研究の意义
本研究で発见した化合物は、フロリゲン活性化复合体の形成を直接的に阻害するので、标的がはっきりと分かった上で使用可能な化合物による植物成长调节技术を提供することに繋がります。
花卉类などで花の発生がはじまるタイミングを调节することにより、周年供给を可能にする新しい技术への応用が期待されます。また有用育种母本间で花の発生がはじまるタイミングを调节することにより、品种育成の可能性を拡大することに繋がります。
花卉类などで花の発生がはじまるタイミングを调节することにより、周年供给を可能にする新しい技术への応用が期待されます。また有用育种母本间で花の発生がはじまるタイミングを调节することにより、品种育成の可能性を拡大することに繋がります。
用语説明
*1 フロリゲン:
被子植物の花の発生を开始させる运命决定因子。正体は贵罢/贬诲3补と呼ばれる球状タンパク质。
*2 フロリゲン活性化复合体:
フロリゲンの活性本体となる転写复合体。フロリゲン贵罢タンパク质、フロリゲン受容体14-3-3タンパク质、転写因子贵顿の3种类のタンパク质によって构成され、核内で花の発生を诱导する遗伝子の発现を活性化する。
被子植物の花の発生を开始させる运命决定因子。正体は贵罢/贬诲3补と呼ばれる球状タンパク质。
*2 フロリゲン活性化复合体:
フロリゲンの活性本体となる転写复合体。フロリゲン贵罢タンパク质、フロリゲン受容体14-3-3タンパク质、転写因子贵顿の3种类のタンパク质によって构成され、核内で花の発生を诱导する遗伝子の発现を活性化する。
论文情报
雑誌名:The Plant Journal
論文タイトル:Multifunctional chemical inhibitors of the florigen activation complex discovered by structure-based high-throughput screening
著者:Ken-ichiro Taoka, Ikumi Kawahara, Shoko Shinya, Ken-ichi Harada, Eiki Yamashita, Zenpei Shimatani, Kyoko Furuita, Tomoaki Muranaka, Tokitaka Oyama , Rie Terada, Atsushi Nakagawa, Toshimichi Fujiwara, Hiroyuki Tsuji, and Chojiro Kojima
顿翱滨:
論文タイトル:Multifunctional chemical inhibitors of the florigen activation complex discovered by structure-based high-throughput screening
著者:Ken-ichiro Taoka, Ikumi Kawahara, Shoko Shinya, Ken-ichi Harada, Eiki Yamashita, Zenpei Shimatani, Kyoko Furuita, Tomoaki Muranaka, Tokitaka Oyama , Rie Terada, Atsushi Nakagawa, Toshimichi Fujiwara, Hiroyuki Tsuji, and Chojiro Kojima
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