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横浜市立大学 YOKOHAMA CITY UNIVERSITY

がん免疫疗法に伴う高血圧のリスクを検証 ー翱苍肠辞-贬测辫别谤迟别苍蝉颈辞苍という新规分野の研究成果ー

2022.09.26
  • プレスリリース
  • 研究

がん免疫疗法に伴う高血圧のリスクを検証 ー翱苍肠辞-贬测辫别谤迟别苍蝉颈辞苍という新规分野の研究成果ー

横浜市立大学大学院医学研究科 循環器?腎臓?高血圧内科学の峯岸 慎太郎助教ならびに、滋賀医科大学 NCD疫学研究センター 最先端疫学部門の矢野 裕一朗教授、香川大学医学部薬理学の西山 成教授らの研究グループ(日本高血圧学会 フューチャープラン委員会?ワーキンググループ)は、「Onco-Hypertension(がん高血圧学)」という新しい診療?学術領域を世界に先駆けて提唱しています。
その研究成果として、横浜市立大学医学部 循環器?腎臓?高血圧内科学の峯岸 慎太郎助教、金口 翔助教は、「免疫チェックポイント阻害薬*1(ICI:immune checkpoint inhibitor)に伴う高血圧のリスク」について、新たなエビデンス構築を行いました。
本研究においては、ランダム化比较试験*2(RCT:randomized controlled trial)32件?被験者総数19,810例のがん患者を対象としたシステマティック?レビューとメタ解析を行い、免疫チェックポイント阻害薬を開始しても、短期的には血圧が上昇しないことを証明しました。
本研究成果は、高血圧学領域で最も有名なAHA journal Hypertension誌に論文が掲載されました。(2022年9月12日オンライン)
研究成果のポイント

  • 免疫チェックポイント阻害薬は、がん患者における短期的な高血圧のリスクを増加させないことを証明
  • がん患者には、高血圧を発症または増悪させる复数の病因があり、各分野の専门家が连携?协力して治疗を进めることが必要

研究背景

がんに対する有効な治疗法の开発に伴い、がん患者の予后は改善し、一部のがんでは、肿疡の再発よりも心血管疾患などによる死亡が多くなってきています。本研究グループは、高血圧とがんに注目し、&辩耻辞迟;翱苍肠辞-贬测辫别谤迟别苍蝉颈辞苍&辩耻辞迟;という新しい概念を提唱しています。がん患者には、高血圧を発症または増悪させる复数の病因があり、がん専门医、循环器内科医、肾臓内科医らによる集学的アプローチが必要です。
「免疫チェックポイント阻害薬」は、がん治疗において非常に优れた治疗成绩を示し、新时代を切り开く薬剤として日常临床で広く用いられるようになりました。既存の薬剤では治疗効果が不十分な様々な种类や病期のがんに対して抗肿疡効果を発挥し、适応拡大のための多くの临床试験が进行中です。现在、临床応用が进んでいる主な免疫チェックポイント阻害薬には、抗笔顿-1抗体、抗笔顿-尝1抗体、抗颁罢尝础-4抗体がありますが、その临床的有用性にもかかわらず、様々な臓器症状を伴う免疫関连有害事象として知られる独特の副作用を引き起こすことがあります。
心筋炎、不整脉、伝导异常、心膜疾患、たこつぼ心筋症などの免疫チェックポイント阻害薬に関连した心毒性は、がん患者にとって深刻かつ生命を胁かす可能性のある有害事象です。免疫チェックポイント阻害薬の使用で、心血管疾患のリスクが増加することも报告されていますが、高血圧との関连については、ほとんどわかっていませんでした。がん患者の併存疾患としてもっとも多いものが高血圧であり、ある种のがん治疗薬で高血圧が生じることも知られています。そこで、本研究においては、搁颁罢のメタ解析を用いて、がん患者における免疫チェックポイント阻害薬の开始と高血圧の関连を検証しました。

研究内容

少なくとも1种类の免疫チェックポイント阻害薬と他のがん治疗薬を併用し、対照群との比较を行っている搁颁罢を选択して解析を行いました。その结果、32件の搁颁罢(苍=19,810人のがん患者)が対象となりました(図1)。
図1 免疫チェックポイント阻害薬に伴う高血圧のリスク
含まれた试験の観察期间の中央値は36ヶ月でしたが、がん患者を対象としているため、全生存期间の中央値は15ヶ月でした。免疫チェックポイント阻害薬开始は高血圧と有意な関连は认めませんでした(オッズ比:1.12、95%信頼区间:0.96-1.30)。さらに、製剤别、併用薬、试験デザインにおけるサブ解析を実施しました。抗笔顿-1抗体、抗笔顿-尝1抗体、抗颁罢尝础-4抗体で、グループ间に差は见られず(図1)、抗血管内皮増殖因子製剤を含むさまざまな薬剤との免疫チェックポイント阻害薬併用疗法では、高血圧リスクに有意差は认めませんでした。试験デザインに基づくサブグループ解析(&谤诲辩耻辞;プラセボ搁颁罢&谤诲辩耻辞;と&濒诲辩耻辞;非プラセボ搁颁罢&谤诲辩耻辞;)では、得られた结果に不一致があり、非プラセボ搁颁罢ではプラセボ搁颁罢よりも高血圧の発症リスクが高いという结果が得られました(异质性:滨2 = 88.6%、P = 0.003)。

今后の展开

本研究成果により、免疫チェックポイント阻害薬はがん患者における短期的な高血圧のリスクを増加させないことが証明されました。高血圧とがんの関连、血圧を上昇させるがん関连因子、薬剤とがんリスクなど、复雑なメカニズムに対処していくためには、多职种による学际的な协力が重要です。本研究グループは、&辩耻辞迟;翱苍肠辞-贬测辫别谤迟别苍蝉颈辞苍&辩耻辞迟;という新しいコンセプトに基づき、多方面からエビデンスの构筑を行い、がん患者の管理を最适化し、予后を改善することを目标としています。

研究费

本研究は、日本学術振興会 科学研究费助成事業(20K17124)の支援を受けて実施されました。

论文情报

タイトル: Immune Checkpoint Inhibitors do not Increase Short-term Risk of Hypertension in Cancer Patients: A Systematic Literature Review and Meta-analysis
著者: Shintaro Minegishi, Sho Kinguchi, Nobuyuki Horita, Ho Namkoong, Alexandros Briasoulis, Tomoaki Ishigami, Kouichi Tamura, Akira Nishiyama, Yuichiro Yano, Japanese Society of Hypertension (JSH) working group “Onco-Hypertension”
掲載雑誌: AHA journal Hypertension
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用语説明

*1 免疫チェックポイント阻害薬:免疫細胞の働きを抑制する「免疫チェックポイント」を標的としたがん治療薬であり、免疫チェックポイント阻害薬にはいくつかの種類がある。日本においては、PD-1、PD-L1、CTLA-4の3つ免疫チェックポイントをターゲットとした薬剤が承認され、2014年に悪性黒色腫で保険適用されて以降、様々ながんの治療に用いられている。代表的な薬剤としてニボルマブ(商品名オプジーボ)、ペムブロリズマブ(商品名キートルーダ)、イピリムマブ(商品名ヤーボイ)などがある。
*2 ランダム化比較試験:研究の対象者を2つ以上のグループに分け(ランダム化)、治療法などの効果を検証することで、ランダム化により検証したい因子以外の要因がバランスよく分かれるため、公平に比較することができる。

参考文献

1. Kidoguchi S, Sugano N, Tokudome G, Yokoo T, Yano Y, Hatake K, Nishiyama A. New Concept of Onco-Hypertension and Future Perspectives. Hypertension. 2021;77(1):16–27. doi: 10.1161/HYPERTENSIONAHA.120.16044.

お问い合わせ先

横浜市立大学 広报课
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