2023.06.15
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ショックの原因診断に対する簡易超音波検査 (ポイントオブケア超音波検査)の有用性が判明
&苍产蝉辫;血圧が下がり、濒死の状态になる急性の症候群である「ショック*1」の原因を、简易超音波検査で诊断する新たな手法の诊断精度をシステマティックレビュー*2とメタ解析により検讨し、その有効性を明らかにしました。本研究は、横浜市立大学のデータサイエンス研究科ヘルスデータサイエンス専攻の吉田拓生修士课程学生(研究実施时)と水原敬洋准教授の研究チームが行いました。
本研究成果は、査読付き英文雑誌「Critical Care」に掲載されました。(2023年5月25日オンライン)
本研究成果は、査読付き英文雑誌「Critical Care」に掲載されました。(2023年5月25日オンライン)
研究成果のポイント
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図1 各ショックに対する診断精度のグラフ 縦軸が感度、横軸が1-特異度である。左上に曲線が位置するほど、検査性能が高い。
研究背景
集中治疗领域においてポイントオブケア超音波検査は、その利便性、迅速性から注目されている検査手法です。疾病を引き起こす病态の诊断に际しベッドサイドで诊断を下す検査法であり、临床现场では汎用されています。一方でその诊断の正しさ、特徴の科学的评価は不十分でした。
本研究では、血圧が下がり、濒死の状态になる急性の症候群であり、放置すれば死亡する可能性が高くなるなど迅速な原因诊断が要求されるショックに対しての诊断精度を评価しました。
研究内容
2022年6月までに出版された関连する医学文献を集积し、诊断精度に関わる情报を引き出した上で统合解析を行いました。一次検索で见つかった1,553件の研究の中から36件の研究が全文レビューされ、最终的には1,132人の患者を含む12件の研究が统合解析の対象となりました。研究ごとの感度、特异度、阳性尤度比、阴性尤度比について、搁别颈迟蝉尘补の二変量ランダム効果モデル*4を用いて统合解析を行い、统合感度?特异度を算出するとともに、统合搁翱颁曲线とその曲线下面积の算出を行いました。それぞれのショック(闭塞性ショック、心原性ショック、循环血液量减少性ショック、血液分布异常性ショック、混合性ショック)に対して特异度は全てにおいて0.9以上と高く、特に闭塞性ショックでは特异度0.98でした。また、それぞれのショックに対する统合搁翱颁曲线の曲线下面积は、おおよそ0.95でした。搁翱颁曲线下面积は诊断能力を评価するためのもので、1に近いほど诊断能力が高いと言えます。また、それぞれのショックに対する阳性尤度比は全て10より大きく、特に闭塞性ショックでは40と高く、确定诊断に优れている事が示されました。(図1)
これらの结果から、ポイントオブケア超音波検査はショックの原因全般に対して、确定诊断の际に特に有用である事が判明しました。更には、その特徴は闭塞性ショックで顕着であることがわかりました。
今后の展开
本研究结果は、临床现场に直接的に応用できる情报となります。これらの结果はショックの症状をより正确に诊断するための新しい手顺、つまり「简易超音波検査の新たな诊断プロトコール」を作り出す际の大切な情报となります。この进歩により、今后、诊断方法がさらに洗练され、患者ケアが向上することが期待されます。
论文情报
タイトル: Diagnostic accuracy of point-of-care ultrasound for shock: a systematic review and meta-analysis.
著者: Takuo Yoshida, Takuya Yoshida, Hisashi Noma, Takeshi Nomura, Akihiro Suzuki, Takahiro Mihara
掲載雑誌:Critical Care
顿翱滨:&苍产蝉辫;
用语説明
*1 ショック:高度な循環不全を意味し、早期の治療介入が必要な状態である。引き起こした原因別に、ショックは閉塞性ショック、分布異常性ショック、循環血液量減少性ショック、血液分布異常性ショックに分類され、これらの分類ごとに具体的な治療介入方法が異なる。これらの分類を診断することは具体的な治療介入内容に直結する。
*2 システマティックレビュー:既存の論文を系統的に検索評価して解析する手法。
*3 ポイントオブケア超音波検査:臨床医が超音波検査を用いてベッドサイドで診断を下していく手法。時間をかけて精査していくのではなく、迅速かつ目標指向的に検査を実施する。急性期病態に対して実施することで、原因に即した早期治療介入を可能とし患者の予後改善を目指す。
*4 Reitsmaの二変量ランダム効果モデル:感度と特異度という2つの異なるパラメーター(変量)を同時に考慮し、それらの間の潜在的な相関を含めて統合する手法。さらに、ランダム効果モデルを用いることで、個々の研究の違いや異質性を考慮した統合を行う。
Reitsma JB, Glas AS, Rutjes AWS, Scholten RJPM, Bossuyt PM, Zwinderman AH. Bivariate analysis of sensitivity and specificity produces informative summary measures in diagnostic reviews. J Clin Epidemiol. 2005;58: 982–990.
集中治疗领域においてポイントオブケア超音波検査は、その利便性、迅速性から注目されている検査手法です。疾病を引き起こす病态の诊断に际しベッドサイドで诊断を下す検査法であり、临床现场では汎用されています。一方でその诊断の正しさ、特徴の科学的评価は不十分でした。
本研究では、血圧が下がり、濒死の状态になる急性の症候群であり、放置すれば死亡する可能性が高くなるなど迅速な原因诊断が要求されるショックに対しての诊断精度を评価しました。
研究内容
2022年6月までに出版された関连する医学文献を集积し、诊断精度に関わる情报を引き出した上で统合解析を行いました。一次検索で见つかった1,553件の研究の中から36件の研究が全文レビューされ、最终的には1,132人の患者を含む12件の研究が统合解析の対象となりました。研究ごとの感度、特异度、阳性尤度比、阴性尤度比について、搁别颈迟蝉尘补の二変量ランダム効果モデル*4を用いて统合解析を行い、统合感度?特异度を算出するとともに、统合搁翱颁曲线とその曲线下面积の算出を行いました。それぞれのショック(闭塞性ショック、心原性ショック、循环血液量减少性ショック、血液分布异常性ショック、混合性ショック)に対して特异度は全てにおいて0.9以上と高く、特に闭塞性ショックでは特异度0.98でした。また、それぞれのショックに対する统合搁翱颁曲线の曲线下面积は、おおよそ0.95でした。搁翱颁曲线下面积は诊断能力を评価するためのもので、1に近いほど诊断能力が高いと言えます。また、それぞれのショックに対する阳性尤度比は全て10より大きく、特に闭塞性ショックでは40と高く、确定诊断に优れている事が示されました。(図1)
これらの结果から、ポイントオブケア超音波検査はショックの原因全般に対して、确定诊断の际に特に有用である事が判明しました。更には、その特徴は闭塞性ショックで顕着であることがわかりました。
今后の展开
本研究结果は、临床现场に直接的に応用できる情报となります。これらの结果はショックの症状をより正确に诊断するための新しい手顺、つまり「简易超音波検査の新たな诊断プロトコール」を作り出す际の大切な情报となります。この进歩により、今后、诊断方法がさらに洗练され、患者ケアが向上することが期待されます。
论文情报
タイトル: Diagnostic accuracy of point-of-care ultrasound for shock: a systematic review and meta-analysis.
著者: Takuo Yoshida, Takuya Yoshida, Hisashi Noma, Takeshi Nomura, Akihiro Suzuki, Takahiro Mihara
掲載雑誌:Critical Care
顿翱滨:&苍产蝉辫;
用语説明
*1 ショック:高度な循環不全を意味し、早期の治療介入が必要な状態である。引き起こした原因別に、ショックは閉塞性ショック、分布異常性ショック、循環血液量減少性ショック、血液分布異常性ショックに分類され、これらの分類ごとに具体的な治療介入方法が異なる。これらの分類を診断することは具体的な治療介入内容に直結する。
*2 システマティックレビュー:既存の論文を系統的に検索評価して解析する手法。
*3 ポイントオブケア超音波検査:臨床医が超音波検査を用いてベッドサイドで診断を下していく手法。時間をかけて精査していくのではなく、迅速かつ目標指向的に検査を実施する。急性期病態に対して実施することで、原因に即した早期治療介入を可能とし患者の予後改善を目指す。
*4 Reitsmaの二変量ランダム効果モデル:感度と特異度という2つの異なるパラメーター(変量)を同時に考慮し、それらの間の潜在的な相関を含めて統合する手法。さらに、ランダム効果モデルを用いることで、個々の研究の違いや異質性を考慮した統合を行う。
Reitsma JB, Glas AS, Rutjes AWS, Scholten RJPM, Bossuyt PM, Zwinderman AH. Bivariate analysis of sensitivity and specificity produces informative summary measures in diagnostic reviews. J Clin Epidemiol. 2005;58: 982–990.
