2025.10.08
- TOPICS
- 研究
花や叶など、植物の地上部分すべてを作り出す组织を、まるごと立体的に染色する新技术を开発!
横浜市立大学 木原生物学研究所の 教授らの研究グループは、花や叶など、植物の地上部分すべてを作り出す组织を、まるごと立体的に染色する技术を开発しました。この技术によって、イネが花を作り始めたときに细胞の核の中で起こる変化を初めて解明しました。
その研究成果が「The Plant Journal」に掲載されました。
论文タイトル
Whole-tissue 3D immunostaining of shoot apical meristems in rice at single-cell resolution
(日本语訳:イネの茎顶メリステムにおける一细胞解像度での3顿免疫染色)
その研究成果が「The Plant Journal」に掲載されました。
论文タイトル
Whole-tissue 3D immunostaining of shoot apical meristems in rice at single-cell resolution
(日本语訳:イネの茎顶メリステムにおける一细胞解像度での3顿免疫染色)
メリステム
论文情报
掲載誌:The Plant Journal
顿翱滨:
着者:
森下友梨香(名古屋大学大学院生命農学研究科 大学院生)
髙田崚輔 (横浜市立大学木原生物学研究所 大学院生(研究当時))
肥後あすか(横浜市立大学木原生物学研究所 特任助教(研究当時)、現?名古屋大学遺伝子実験施設 助教)
吉田 綾(横浜市立大学木原生物学研究所 特任助手(研究当時)、現?横浜市立大学URA)
辻 寛之(横浜市立大学木原生物学研究所 教授、名古屋大学生物機能開発利用研究センター 教授)
掲載誌:The Plant Journal
顿翱滨:
着者:
森下友梨香(名古屋大学大学院生命農学研究科 大学院生)
髙田崚輔 (横浜市立大学木原生物学研究所 大学院生(研究当時))
肥後あすか(横浜市立大学木原生物学研究所 特任助教(研究当時)、現?名古屋大学遺伝子実験施設 助教)
吉田 綾(横浜市立大学木原生物学研究所 特任助手(研究当時)、現?横浜市立大学URA)
辻 寛之(横浜市立大学木原生物学研究所 教授、名古屋大学生物機能開発利用研究センター 教授)
今回の研究内容について辻先生に解説していただきました。
「茎顶メリステム」はわずか数百の细胞からなる微小な组织ですが、将来、植物の地上部(叶、茎、枝、花)となる细胞を作り出すことから、植物の発生の基础となる重要な役割を担っています。茎顶メリステムがフロリゲン*1と呼ばれる因子の影响を受けると、叶や茎を発生するステージから花を形成するステージへと転换します。茎顶メリステムが何を作り出すのかは、茎顶メリステムを构成するそれぞれの细胞がどのような遗伝子を発现するかによって决まります。遗伝子発现の制御は顿狈础の周囲の构造、特にヌクレオソーム*2と呼ばれる顿狈础とヒストンと呼ばれるタンパク质の复合体の状态に大きく左右されます。ヒストンにはさまざまな化学修饰が加わり、それによって顿狈础が密に巻かれたり缓んだりし、结果として遗伝子のスイッチが入ったり切れたりします。しかしこれまで、植物の発生で中心的な役割を果たす茎顶メリステムにおいて、遗伝子発现の根干をなすヒストン修饰*3の状态を立体的な构造を维持したまま、个々の细胞単位で観察する技术は存在していませんでした。
本研究では、茎顶メリステムを対象とした世界初の一细胞解像度3顿免疫染色技术を开発しました。この技术により、茎顶メリステム内の数百の细胞の核におけるヒストン修饰の状态を、立体构造を维持したまま一细胞レベルで可视化することが可能になりました。さらに、この技术を用いてフロリゲンがイネの茎顶メリステムに到达する前后で、ヒストン修饰が空间的にどのように変化するかを详细に解析しました。その结果、フロリゲンの作用によって遗伝子の働きを抑制するタイプのヒストン修饰が増加することを初めて明らかにしました。
今后、この技术を活用することでメリステムにおける重要な分子の3次元的な分布の情报をもとに、より精密な植物改良の手法の开発にもつながると期待されます。さらに个々の细胞の状态の违いや状态変化を立体的に捉えることで、植物の理解を深める研究が加速すると考えられます。
辻先生のコメント
この研究は、横浜市立大学と名古屋大学の研究室が力を合わせたことで実现しました。これまで成功例のなかった植物组织で、免疫染色の新しい実験系を立ち上げることは非常に困难とされてきました。中でも、植物の発生学において特に重要な茎顶メリステムでの成功は、大きな意味を持ちます。横浜市立大学の研究室では、髙田くん、肥后さん、吉田さんが多くの条件を粘り强く検讨してくれました。その努力の先に、名古屋大学の森下さんがさらに丁寧に条件検讨を重ね、今回の新しい技术と発见につながりました。とても嬉しく思います。美しい染色像に结実するまで、みんな本当によくがんばってくれました。
用语説明
*1 フロリゲン:植物が花を作るためのスイッチとして働く分子。イネではHd3aタンパク質がフロリゲンとして働く。花をつくるために適した環境になると葉で合成され、茎頂メリステムに輸送されて働く。
*2 ヌクレオソーム:DNAがヒストンと呼ばれるタンパク質に巻き付いた構造。真核生物の核内では、DNAはヌクレオソームの形で存在する。
*3 ヒストン修飾:ヌクレオソームを構成するヒストンに、酵素が化学修飾(アセチル化やメチル化など)を加えること。これによりヌクレオソームの性質が変化し、巻き付いているDNA上の遺伝子が転写されるかどうかの制御スイッチとなる。
「茎顶メリステム」はわずか数百の细胞からなる微小な组织ですが、将来、植物の地上部(叶、茎、枝、花)となる细胞を作り出すことから、植物の発生の基础となる重要な役割を担っています。茎顶メリステムがフロリゲン*1と呼ばれる因子の影响を受けると、叶や茎を発生するステージから花を形成するステージへと転换します。茎顶メリステムが何を作り出すのかは、茎顶メリステムを构成するそれぞれの细胞がどのような遗伝子を発现するかによって决まります。遗伝子発现の制御は顿狈础の周囲の构造、特にヌクレオソーム*2と呼ばれる顿狈础とヒストンと呼ばれるタンパク质の复合体の状态に大きく左右されます。ヒストンにはさまざまな化学修饰が加わり、それによって顿狈础が密に巻かれたり缓んだりし、结果として遗伝子のスイッチが入ったり切れたりします。しかしこれまで、植物の発生で中心的な役割を果たす茎顶メリステムにおいて、遗伝子発现の根干をなすヒストン修饰*3の状态を立体的な构造を维持したまま、个々の细胞単位で観察する技术は存在していませんでした。
本研究では、茎顶メリステムを対象とした世界初の一细胞解像度3顿免疫染色技术を开発しました。この技术により、茎顶メリステム内の数百の细胞の核におけるヒストン修饰の状态を、立体构造を维持したまま一细胞レベルで可视化することが可能になりました。さらに、この技术を用いてフロリゲンがイネの茎顶メリステムに到达する前后で、ヒストン修饰が空间的にどのように変化するかを详细に解析しました。その结果、フロリゲンの作用によって遗伝子の働きを抑制するタイプのヒストン修饰が増加することを初めて明らかにしました。
今后、この技术を活用することでメリステムにおける重要な分子の3次元的な分布の情报をもとに、より精密な植物改良の手法の开発にもつながると期待されます。さらに个々の细胞の状态の违いや状态変化を立体的に捉えることで、植物の理解を深める研究が加速すると考えられます。
辻先生のコメント
この研究は、横浜市立大学と名古屋大学の研究室が力を合わせたことで実现しました。これまで成功例のなかった植物组织で、免疫染色の新しい実験系を立ち上げることは非常に困难とされてきました。中でも、植物の発生学において特に重要な茎顶メリステムでの成功は、大きな意味を持ちます。横浜市立大学の研究室では、髙田くん、肥后さん、吉田さんが多くの条件を粘り强く検讨してくれました。その努力の先に、名古屋大学の森下さんがさらに丁寧に条件検讨を重ね、今回の新しい技术と発见につながりました。とても嬉しく思います。美しい染色像に结実するまで、みんな本当によくがんばってくれました。
用语説明
*1 フロリゲン:植物が花を作るためのスイッチとして働く分子。イネではHd3aタンパク質がフロリゲンとして働く。花をつくるために適した環境になると葉で合成され、茎頂メリステムに輸送されて働く。
*2 ヌクレオソーム:DNAがヒストンと呼ばれるタンパク質に巻き付いた構造。真核生物の核内では、DNAはヌクレオソームの形で存在する。
*3 ヒストン修飾:ヌクレオソームを構成するヒストンに、酵素が化学修飾(アセチル化やメチル化など)を加えること。これによりヌクレオソームの性質が変化し、巻き付いているDNA上の遺伝子が転写されるかどうかの制御スイッチとなる。

