光免疫抗体を用いて标的を狙い打つ、光免疫疗法の戦略手法を确立
—がん、多剤耐性菌?新兴ウイルス感染症など、多様な疾患の克服に向けて—
2023.11.06
横浜市立大学の梁明秀 連携大学院客員教授(研究当時:医学部微生物学 教授)、宮川敬 客員准教授(研究当時:同微生物学准教授)、東京慈恵会医科大学消化器?肝臓内科 光永眞人 講師、総合医科学研究センター 岩瀬忠行 教授、米国国立がん研究所の小林久隆 主任研究員らの研究グループは、光免疫抗体を用いることで、生物種や薬剤耐性に関係なく様々な標的を選んで破壊、除去できる光免疫治療戦略の基準となる手法を確立しました。
● 光免疫療法はウイルス?細菌?細胞といった標的に光免疫抗体を結合させ光を当てることで標的のみを破壊、除去できますが、特に本研究では標的に結合する抗体(モノクローナル抗体)と近赤外光に反応するプローブ(光反応性プローブ)が結合した光免疫抗体を用いることにより多種多様な細胞や微生物を光免疫療法の対象とする手法を確立しました。
● 新型コロナウイルスの细胞への感染防止、常在细菌に影响を与えずに多剤耐性黄色ブドウ球菌(惭搁厂础)を除去できる作用が示されています。また、がん细胞への光免疫疗法は再発性头颈部がんの新规治疗法として、世界に先駆けて国内で临床适用されています。
● 既存の治療法では制御が困難だったがんや多剤耐性?新興病原体などに対する新たな治療法への展開、また試料中の特定の細胞や病原体のみを除去するバイオツールとしての活用などが期待されます。
● 新型コロナウイルスの细胞への感染防止、常在细菌に影响を与えずに多剤耐性黄色ブドウ球菌(惭搁厂础)を除去できる作用が示されています。また、がん细胞への光免疫疗法は再発性头颈部がんの新规治疗法として、世界に先駆けて国内で临床适用されています。
● 既存の治療法では制御が困難だったがんや多剤耐性?新興病原体などに対する新たな治療法への展開、また試料中の特定の細胞や病原体のみを除去するバイオツールとしての活用などが期待されます。
本研究成果はPhotoimmunotechnology as a powerful biological tool for molecular-based elimination of target cells and microbes, including bacteria, fungi, and virusesとしてNature Protocolsに2023年11月号(オンライン:11月6日)に掲載されました。
脚注
これまでのがん治疗とその违いについて:
がん治疗のベースとなる多くの抗がん剤は、がん细胞を効果的に排除する一方で、正常细胞をも伤害してしまう弱点があります。近年、がん细胞特异的な治疗法が进展してきましたが、今后もより多くの选択肢を増やし、効果的でかつ身体に优しい抗がん疗法の开発が望まれています。光免疫疗法は、狙ったがん细胞のみを排除するため、副反応の出にくい治疗法の一つとなりえます。
これまでの抗微生物剤とその违いについて:
细菌?真菌(カビ)?ウイルスは、目で见ることのできない小さな生き物として「微生物」と呼ばれています。しかし、それぞれの性质は全く异なっており、真菌はどちらかというと细菌よりもヒト细胞に近い构造をしており、ウイルスについてはこれらとは全く异なる构造と性质を持っています。それゆえ、细菌には细菌用の薬剤(抗菌剤)、真菌には抗真菌剤、ウイルスには抗ウイルス剤を开発する必要があります。しかし、10年以上の歳月をかけて开発した薬剤であっても、薬剤耐性株の出现により効力を失ってしまう问题がありました。また、抗菌剤は病原细菌だけでなく、いわゆる善玉菌として知られる常在细菌にも作用してしまうため、肠内细菌のバランスを乱してしまうことも问题になっています。一方、光免疫疗法は、がん细胞だけでなく、标的を自由に设定でき、选択的に除去できるため、善玉菌に影响を与えることなく、病原菌を狙い撃つことが可能です。
がん治疗のベースとなる多くの抗がん剤は、がん细胞を効果的に排除する一方で、正常细胞をも伤害してしまう弱点があります。近年、がん细胞特异的な治疗法が进展してきましたが、今后もより多くの选択肢を増やし、効果的でかつ身体に优しい抗がん疗法の开発が望まれています。光免疫疗法は、狙ったがん细胞のみを排除するため、副反応の出にくい治疗法の一つとなりえます。
これまでの抗微生物剤とその违いについて:
细菌?真菌(カビ)?ウイルスは、目で见ることのできない小さな生き物として「微生物」と呼ばれています。しかし、それぞれの性质は全く异なっており、真菌はどちらかというと细菌よりもヒト细胞に近い构造をしており、ウイルスについてはこれらとは全く异なる构造と性质を持っています。それゆえ、细菌には细菌用の薬剤(抗菌剤)、真菌には抗真菌剤、ウイルスには抗ウイルス剤を开発する必要があります。しかし、10年以上の歳月をかけて开発した薬剤であっても、薬剤耐性株の出现により効力を失ってしまう问题がありました。また、抗菌剤は病原细菌だけでなく、いわゆる善玉菌として知られる常在细菌にも作用してしまうため、肠内细菌のバランスを乱してしまうことも问题になっています。一方、光免疫疗法は、がん细胞だけでなく、标的を自由に设定でき、选択的に除去できるため、善玉菌に影响を与えることなく、病原菌を狙い撃つことが可能です。
用语説明
モノクローナル抗体:标的となる一つの抗原のみに结合可能な抗体(标的に特异的に结合する抗体)を生物工学的に増やしたもので、がんに対する分子标的薬や自己免疫疾患に対する生物学的製剤として昨今の医疗で频用されている。
光反応性プローブ:近赤外光に反応し、构造変化を起こす。
近赤外光:赤色光と远赤外线に挟まれた领域の光である。光の中では、组织浸透性が高い波长である。暖房机器でよく知られる远赤外线とは异なり、ほとんど热を伝达することはない。
光免疫抗体:标的特异的抗体に光反応性プローブが结合している。标的に结合した光免疫抗体は近赤外光により活性化され构造変化を生じ、标的细胞?病原体を破壊する。
光反応性プローブ:近赤外光に反応し、构造変化を起こす。
近赤外光:赤色光と远赤外线に挟まれた领域の光である。光の中では、组织浸透性が高い波长である。暖房机器でよく知られる远赤外线とは异なり、ほとんど热を伝达することはない。
光免疫抗体:标的特异的抗体に光反応性プローブが结合している。标的に结合した光免疫抗体は近赤外光により活性化され构造変化を生じ、标的细胞?病原体を破壊する。
研究支援
本研究は、础惭贰顿新兴?再兴感染症に対する革新的医薬品等开発推进研究事业(重症例由来下痢症起因菌のサーベイランス手法および病原性评価系の确立に関する研究)ならびに文部科学省科学研究补助金の支援を受けて行われました。
主なメンバー
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 岩瀬忠行 教授
東京慈恵会医科大学 消化器?肝臓内科 光永眞人 講師、伊藤公博 助教、西村尚 助教
横浜市立大学 梁明秀 連携大学院客員教授(研究当時:医学部微生物学 教授)、宮川敬 客員准教授(研究当時:同微生物学 准教授)
米国国立がん研究所 小林久隆 主任研究員
東京慈恵会医科大学 消化器?肝臓内科 光永眞人 講師、伊藤公博 助教、西村尚 助教
横浜市立大学 梁明秀 連携大学院客員教授(研究当時:医学部微生物学 教授)、宮川敬 客員准教授(研究当時:同微生物学 准教授)
米国国立がん研究所 小林久隆 主任研究員
お问合せ先
横浜市立大学 広报课
mail: koho@yokohama-cu.ac.jp
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