麻豆官网

麻豆官网 Research Portal

麻豆官网 Research Portal

光线力学疗法用の光増感剤を新たに开発
~肿疡血管の正常化への応用に期待~

横浜市立大学理学部 服部伸吾助教、荻島瑞希さん(2023年度博士前期課程修了)、中島忠章助教、野々瀬真司准教授、佐藤友美教授、篠﨑一英教授らの研究グループは、北海道大学大学院工学研究院 細谷祥太さん(博士後期課程1年)、北川裕一准教授、長谷川靖哉教授と共同で、光線力学療法用光増感剤*1として両亲媒性白金错体を新たに开発し、ヒト脐帯静脉上皮细胞に対する选択的光细胞毒性や细胞内动态を明らかにしました。

本研究成果は、アメリカ化学会国際学術誌「Inorganic Chemistry」に掲載されました(2024年7月12日)。

研究成果のポイント 


● 光线力学疗法用光増感剤として両亲媒性白金错体を新たに开発した。

● ヒト脐帯静脉上皮细胞に対してのみ白金错体の光细胞毒性が确认された。

● 細胞内動態が白金錯体へのタンパク质の導入により変化することを発見した。

図1  白金錯体の光照射なし(白色)、および光照射あり(灰色)のヒト臍帯静脈上皮細胞生存率。

研究背景

光线力学疗法(笔顿罢)は、光照射によって肿疡组织を选択的に死灭させることができる非侵袭性のがん治疗法の一つです。笔顿罢用光増感剤としては、光诱起电子移动反応によってスーパーオキシドアニオンラジカル(翱2·-)を生成させるType Iと、光誘起エネルギー移動反応によって一重項酸素(1O2*2を生成させる罢测辫别Ⅱがあります。白金错体は重原子効果により励起叁重项状态を効率よく生成することができるため、罢测辫别Ⅱの光増感剤としてこれまで注目されてきました。水に不溶な中性白金错体を生体へ応用するためには、细胞への取り込みを改善するために両亲媒性を得ることが重要になります。これまで、エチレングリコール基やペプチド基の导入した両亲媒性の白金错体が复数报告されてきましたが、これらは多段阶の化学合成を必要とするため、より简便な方法での両亲媒性の获得が望まれていました。

研究内容

本研究では、白金錯体のイオン化、タンパク质内包による両親媒性の獲得に注目し、それらの合成、光物性解明、光細胞毒性試験を行いました。イオン化型白金錯体の一重項酸素生成量子収率は55%と高い値を示したのに対し、タンパク质内包型白金錯体は13%であることが分かりました。白金錯体で処理したヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)では、イオン化型白金錯体は拡散による急速な取り込み後に細胞全体に非局在化した一方、タンパク质内包型白金錯体はエンドサイトーシス*3によって取り込まれ、细胞小器官と细胞膜に局在化することが示唆され、细胞动态が二つで异なることが明らかとなりました。イオン化型白金错体はヒト脐帯静脉内皮细胞に対して高い光细胞毒性を示す一方、ヒト乳腺上皮细胞株(惭颁贵10础)、ヒト乳癌细胞株(惭顿础-惭叠-231)に対しては光细胞毒性を示さないことが明らかとなりました。

今后の展开

腫瘍形成や転移に重要である血管内皮細胞に対するイオン化型白金錯体の選択的光細胞毒性は、正常組織を損傷することなく、腫瘍血管を正常血管にする可能性、すなわち、腫瘍血管の正常化に有用です。タンパク质内包型白金錯体については、ヒト細胞に対する優れた送達能力が明らかとなったため、生体に対する次世代バイオイメージング材料としての応用が期待できます。

研究费

本研究は、科研费若手研究(JP21K14647, JP21K06244)の支援を受けて実施されました。

论文情报

タイトル: Photodynamic Effect of Amphiphilic N^C^N-Coordinated Platinum(II) Complexes in Human Umbilical Vein Endothelial Cells
著者: Shingo Hattori, Mizuki Ogishima, Tadaaki Nakajima, Shota Hosoya, Yuichi Kitagawa, Yasuchika Hasegawa, Shinji Nonose, Tomomi Sato and Kazuteru Shinozaki
掲載雑誌: Inorganic Chemistry
顿翱滨:

用语説明

*1 光増感剤:光増感反応を示す薬剤。ここでは、光を吸収して得られたエネルギーを酸素分子へ渡す増感反応を担う物质のことを指す。
*2 一重项酸素(1O2):活性酸素种(搁翱厂)の一种。光吸収した増感剤からのエネルギー移动によって生じる。
*3 エンドサイトーシス:细胞が物质を取り込む过程の一つ。

お问合せ先

横浜市立大学 広报担当
mail: koho@yokohama-cu.ac.jp
  • 3 全ての人に健康と福祉を
  • 9 産業と技術革新の基盤をつくろう