乾癣
乾癣の疾患情報
乾癣では銀白色のフケのようなものがつき、境界明瞭な盛り上がった紅斑が全身の皮膚にみられます。
日本では人口の0.34%、约43万人の患者さんがいると推定され、徐々に増加倾向にあります。
人によっては皮肤だけでなく、爪が変形したり、指の関节やアキレス腱などが肿れたり痛んだりして、日常生活にも影响をおよぼすことから、适切な治疗を行うことが重要です。
乾癣は皮膚疾患の中でも、その見た目と症状?経過から非常に患者さんの生活の質を傷害することが知られています。その発症原因として、遺伝的な素因に加えて、肥満?喫煙?感染症などの環境的な因子が加わって発症すると考えられています。
以前は、乾癣は皮膚だけの病気として考えられていましたが、近年の研究により関節炎、眼のぶどう膜炎、炎症性腸疾患、心血管病変、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病を合併しやすいことから、全身性の炎症性疾患として捉えられています。
乾癣は、一昔前は“治らない”病気と言われていましたが、今は多くの新しい薬剤が乾癣に使用可能となっており、乾癣に悩まれることなく日常生活を送ることができるようになっています。
乾癣治療においては皮肤科医のみならず、乾癣の合併症に関係する各科と連携していくことが乾癣治療において重要となります。
当科では乾癣の専門的評価?治療に力を入れるため、ついて乾癣センターを立ち上げました。
乾癣を専門とする皮肤科医に加えて、リウマチ内科や糖尿病内科の医師が加わり、一緒に患者さんを診察し、専門的視点から熱い議論を交わすことで、患者さんにとって最適な加療を提供しています。
当院には神奈川県内だけではなく、幅広いエリアから、现在毎週50?60人以上の患者さんが通院されています。
乾癣センターの詳細については当院の乾癣センターのホームページを是非ご参照ください。
乾癣の検査
採血検査、レントゲン検査、関节エコー検査、惭搁滨などを行い、メタボリックシンドロームなどの合併症や、関节炎の合併がないかを确认します。また、バイオ製剤导入の前などに、悪性肿疡や感染症がないか、スクリーニングの颁罢も行っています。
特に早期診断や鑑別診断が難しい乾癣性関節炎については、関節エコーやMRIなどの積極的な画像検査に加えて、皮肤科とリウマチ内科の合同外来で患者さんを同時に診察することで診断のみならず、治療方針についても情報共有し、早期の診断と適切な治療介入を目指していきます。
乾癣の治療法

ここ数年の乾癣治療の進歩は著しく、適切な治療の導入によって、多くの方がほぼ病気が気にならない状態で生活できるレベルまで改善することができます。
皮疹だけではなく、乾癣性関節炎、乾癣性ブドウ膜炎、メタボリック症候群などの合併症に対しても皮肤科だけでなく関連する診療科と連携して、外用疗法、内服疗法、光线疗法(ナローバンドUVB療法、エキシマライト)、生物学的製剤などを駆使して、総合的にマネージメントできる治療選択を行います。
外用疗法
最も治疗の基础となるものです。ステロイド(皮肤の炎症を抑える)+ビタミン顿3(皮肤が过剰に作られることを抑える)の外用を行います。
内服疗法
オテズラ(PDE4阻害薬)、ソーティクツ(Tyk2阻害薬)、チガソン(ビタミンA誘導体)、ネオーラル?メトトレキサート(免疫抑制薬)などの内服疗法を、患者さんの状態に合わせて選択します。
光线疗法

左:全身型 NB-UVB 右:ターゲット型 エキシマランプ
光线疗法は皮膚の過剰な免疫反応を抑える治療方法です。現在広く使用されているのは、UVBに含まれる有害な波長を取り除き治療効果が高い波長のみを使う「ナローバンドUVB療法(NB-UVB)」です。
狈叠-鲍痴叠疗法では全身に紫外线を照射しますが、手足など発疹の限局した部位のみに照射する「ターゲット型エキシマランプ」もあります。
生物学的製剤(バイオ)
涂り薬や饮み薬など、これまでの治疗で十分な効果がみられない患者さんには「生物学的製剤」という注射が用いられます。
生物学的製剤は、乾癣で大量に出ている、炎症にかかわるたんぱく質(サイトカイン)の働きをピンポイントで抑えて症状を改善します。他の治療方法に比べて乾癣の皮膚症状に対する効果が高く、関節症状にも効果があります。
生物学的製剤による治療は、日本皮肤科学会が導入治療の実施を認めた病院やクリニックでのみ始めることができます。
乾癣で使用する生物学的製剤一覧
| 製品名 (一般名) |
ターゲット | 投与経路 | 自己注射 | 维持投与中の投与间隔 |
|---|---|---|---|---|
| レミケード (インフリキシマブ) |
TNFα |
点滴 | × | 8週(4週间に短缩可) |
| ヒュミラ (アダリムマブ) |
皮下注射 |
○ |
2週 | |
| シムジア (セルトリズマブ) |
2週もしくは4週 | |||
| ステラーラ (ウステキヌマブ) |
IL12/23p40 | × |
12週 | |
| トレムフィア (グセルクマブ) |
IL23p19 |
8週 | ||
| スキリージ (リサンキズマブ) |
12週 | |||
| イルミア (チルドラキズマブ) |
12週 | |||
| コセンティクス (セクキヌマブ) |
IL17A |
○ |
4週 | |
| トルツ (イキセキズマブ) |
2週もしくは4週 | |||
| ルミセフ (ブロダルマブ) |
滨尝17受容体 | 2週 | ||
| ビンゼレックス (ビメキズマブ) |
IL17A/F | 2週もしくは4週 |
また、当科では一般的な治療だけではなく、乾癣の病態解明や新規治療法開発を目指した基礎研究、臨床研究も積極的に行っているほか、新規治療薬の臨床試験(治験)にも参加し、全国的な乾癣診療の専門施設の一つとして認識されています。


